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第7話 チェックサム
目を覚ますと、ボクはベッドの上で寝ていた。辺りはまだ夜が明けていない静寂 に包まれた街並み。
小窓から顔を出して眺 める。「こんな日もあるだろう」と、顔をそらしつつ、踵 を絨毯 に密着 させた。
こんな時、なぜか自然と先日の振り返りが開始される。そして、足をさする行為に移行 する。
なにせよすることが無い。仮に散歩へと外に出かけるような時間帯でもなく、公園に近づけば、恐らく一溜 りもない。恐怖 で足がすくみ、身が縛 られ、やがて息も荒 くなっていくのだろう。実に恐 ろしい。この手は正直嫌いである。
先月も、落語家や職場の方から、オカルトや怪談の話しがあると聞き、現地に行くのか判断を迷い、悩 んだ末に口車に乗せられ、来てしまったり。後先考えずに行動してしまい、見知らぬ男性から背筋がゾクッとすることを言い放たれることもしばしば受ける。
「困ります。やめて下さい。」
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