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第2話
「ユータ……なんて愛らしい……。私を惑わせる、貴様こそが魔性の生き物だな」
「ふぁ……はっ……はあ……」
「貴様の全てが愛おしく、狂おしいほどに、私の心は掻き乱される。貴様の全てを私のものにしたい……本当に、食べてしまいたい……」
狂気の滲む言葉を吐き、魔王はその場に膝をついた。そして精に濡れたペニスに、躊躇いなく舌を伸ばす。
「ひあぁっ」
吐き出された精液を舐めとるように、舌が絡みつく。掌の感触とは全く違う強烈な刺激に、悠太の欲望は再び硬く張り詰める。
「やだやだっ、離せっ、やあぁっ、だめ、舐めないで、汚い、汚いから、離してぇっ」
かぶりを振って声を上げるが、魔王の口は離れない。それどころか、口の中にペニスを咥え込んでしまう。
ぬるぬるの粘膜に包まれ、悠太は快楽に身悶えた。
長い舌が裏筋をねぶり、濡れた音を立てて吸い上げられる。
ペニスを唇で愛撫しながら、指で優しく陰嚢を揉み込む。
「いやっ、もう出る、出ちゃうから、口、離して、あぁっ」
すぐにまた射精感に襲われ、悠太は必死に訴えた。このままでは口に出してしまう。
腰を引こうとするけれど、がっしりと触手に押さえ込まれて動かせない。
射精を促すように、幹を手で扱きじゅるりと先端を吸い上げる。
そんなことをされれば、悠太はもう耐えることなどできなかった。
「あっ、あ──っ!」
びゅくびゅくと、魔王の口内で精液を放出する。
魔王は喉を鳴らしながら、最後の一滴まで残さず嚥下した。
最後にちゅうっと鈴口を吸い残滓まで吐き出させてから、漸く口を離した。
口の中に射精してしまい、しかも出したものを飲まれてしまったショックで、悠太は放心していた。
「はあ……なんて美味いんだ。貴様の体はどこもかしこも甘い。これだけでは足りん。私を狂わせる、禁断の果実のようだ。もっともっと味わいたい。味わい尽くしてやろう」
わけのわからないことをうっとりとした表情で囁いて、再びペニスに舌を這わせてくる。
我に返った悠太は、がむしゃらに暴れた。けれど触手はびくともしない。力では決して敵わない。
悠太は恥もプライドも捨て、懇願した。
「や……もうやだ、頼むから、もう離して」
「だめだ。貴様はもう、私のものだ。離すものか」
触手が身体中を這い回る。レースの下着の横から入り込んだ触手が、臀部を痴漢のように揉みしだく。その細めの触手が、狭間にある蕾に触れた。
「ひっ!?」
悠太はビクッと肩を竦ませる。
とんでもない部分を触られて、血の気が引いていくのを感じた。
魔王がなにをしようとしているのか、これから自分の身になにが起こるのか。少ない知識でそれを察して、悠太は慌てふためいた。
「ま、ま、ちょ、待っ、だめ、むり、待って、無理だから!」
「大丈夫だ。貴様の体は、私が隅々まで味わってやる」
なにが大丈夫なのだろう。全く話が噛み合わない。
しかし悠太も混乱していて、自分がなにを言っているのかわからなくなっていた。
「無理だって! 死ぬって! 裂ける! 真っ二つに裂けて死ぬ!」
「死なせるわけがないだろう。ユータは死ぬまで私の傍にいるのだから」
「いやだから、今死ぬんだって!」
「案ずるな。ユータは私が守る」
「お前が殺すんだろ! 俺はじめてなんだぞ! それなのに触手プレイとか! 怖すぎるだろ!」
悠太の言葉に、魔王ははっと目を瞠る。
「はじめて……。そうか、ユータは、はじめてを私に捧げようと……そのために、私の前に現れたのだな」
魔王は感極まったように瞳を輝かせた。
「大丈夫だ。私のものを受け入れてもユータが痛みを感じぬよう、時間をかけて慣らしてやる」
「ひぃっ」
アナルに触れていた触手がぬるりと滑った。先端からなにかを分泌させているのか、濡れた感触がする。丹念に粘液を塗り込むように、触手が繊細な動きで蕾を撫で回す。
「ひぁんっ、や、やだって、言ってるのに……怖いって……っ」
「怯えるな。ユータには傷一つつけない。私を信じろ」
「信じ、られっ……ひ、あっ、やあぁっ」
ぷちゅっと音を立てて、触手が挿入された。ほんの少しだけ埋め込んだ状態で、粘液を注入する。少量だったけれど、その感覚に悠太は体を震わせた。
「あうぅ、やっ、ぬるぬる、する……っ」
「狭い……。本当にはじめてなのだな。この温かく、絡みつくような締め付けを味わうことができるのは、私だけだということか……」
意味不明な感動をしている魔王の言葉に、疑問を感じる。
「なんで、せ、狭いとか、温かいとか、わかるんだよ……?」
「入っているのだから、わかるだろう?」
「入ってるって、触手がだろ?」
「これらは私の体の一部だ。ちゃんと感覚はある」
「えっ……」
「でなければ、使わない。貴様に触れていいのは、私だけだからな」
「か、勝手な、こと、言うな……あっ」
熱っぽい眼差しを注ぎながら言われると、相手が魔王だとわかっていても雰囲気に飲まれてときめきそうになってしまう。
「この、私を受け入れるための小さな穴も」
「ひゃうっ」
触手がアナルを広げるようにぐにぐにと蠢く。
「ここも、ここも」
触手が陰嚢とペニスに優しく絡みつく。
「ここも」
触手が二つの乳首を絞るように捻り上げる。
「ここも」
触手が喘ぎ声を漏らす唇に侵入してくる。
「ユータの全ては私のものだ」
そう言って、魔王は触手の絡みつくペニスに舌を這わせる。
「んあぁっ、ふ、んんぅっ」
悠太が苦しげに眉を寄せれば、触手は口の中から引き出される。けれど唇から離れない。
「やだっ、色んなとこ、一気に、触っちゃ……ひんんっ」
やめてほしいと哀願するが、聞いてはもらえない。それどころか更に触手を増やされ、耳や背中まで愛撫してくる。
再び口の中に触手が入ってきた。ぐちゅぐちゅと激しく出し入れされ、口腔内を犯されているような感覚になる。
噛みついてやろうかと考えたが、緑色の血が吹き出す光景を想像してしまい躊躇った。実際の血の色が何色なのかは知らないけれど。
結局なにもできず、好き勝手に口の中を蹂躙された。
その間にも乳首やペニスへの刺激はつづけられ、快楽に頭がおかしくなりそうだった。
アナルに挿入された触手は、徐々に奥へと進んでいく。進むたびに粘液を注入してくる。傷一つつけないという言葉通り、ゆっくりと慎重に拡張されていた。
こんな時間が長々とつづくくらいなら、いっそ一思いにやってほしかった。このままでは本当に自分が自分でいられなくなりそうだ。
「やらぁっ、もういい、もうやめてっ、おかひくなるよぉ……っ」
「大丈夫だ、ユータ。私に全て任せろ。その身を委ねるのだ」
「いやだあぁ……っ」
相手は話の通じない変質者……魔王だ。なにをしてもなにを言っても、もう逃げられる気がしなかった。
後ろに入れられた触手はゆっくりとだが確実に深く捩じ込まれていく。
じりじりと肉襞を這う触手が、膨らみを擦った。
「あぁんっ」
びりびりと痺れるような快感が走り抜け、悠太は身悶えた。
「ここが気持ちいいのか?」
「ひゃっ、やめっ、あっ、そこ、やだぁっ」
目を見開き、首を振り立てる。
触手は重点的にそこを嬲りはじめた。
甲高い悲鳴を上げながら、そこが前立腺なのだろうと頭の隅で考える。知識としては知っていたが、与えられる快楽は想像以上だった。なす術もなく、悠太は翻弄された。
身体中の至るところを刺激され、悠太の思考はぐずぐずに溶かされていく。怖いのに気持ちよくて、逃げたいのかこのまま凌辱されたいのかわからなくなる。もし次の瞬間にも魔王の気が変わってあっさりと突き放されたら、悠太は自分から快楽を求め縋りついてしまうかもしれない。
そんな自分の考えに恐怖し、けれどその恐怖もどんどん薄れていく。淫楽に頭が支配される。
涙を流しながら、悠太は淫らに腰をくねらせた。
「ふあぁっ、あっ、らめ、奥、そんな奥まで、入っちゃだめっ、あんっ」
「そんなに気持ちいいか? 可愛い声で鳴く。ここも、蜜でどろどろだ」
魔王は先走りを漏らす鈴口にちゅっと吸い付く。
既にペニスは限界まで張り詰めている。けれど細い触手が根本に絡みつき射精を阻んでいた。
「やらぁっ、もういきたい、出したい、出させてぇ……っ」
「まだだめだ。後でたっぷり出させてやる」
粘液でぐちゅぐちゅにされた後孔は、もうかなり深くまで触手を受け入れていた。悠太は気づいていなかったが、触手は徐々に太さを増している。固く閉ざされていた後ろの穴は、もうすっかり解されていた。
それでも触手は、更に奥へ進もうとする。
「やだ、もうむり、もう怖い、奥怖い、お腹変になるぅっ」
「怖がるな。ユータの好きなところを擦ってやるから」
そう言って、触手で広げられたアナルに指が差し込まれた。触手と指を同時に受け入れても痛みなど感じなかった。
侵入してきた指が、敏感な膨らみをこりこりと擦る。
「ひっ、あぁっ、やだ、だめ、そこだめぇ……っ」
射精を阻まれた状態では、強すぎる快楽は苦痛でしかない。
悠太はぽろぽろと涙を零した。
「もうだめ、やらっ、お願い、もう許して、お願いっ」
「いやらしく腰をくねらせて、ユータはねだるのが上手いな。触手ではなく、そんなに私のものが欲しいのか?」
悠太は深く考えずにこくこくと頷いた。とにかく今の状況から解放されたかった。
「ほしいっ、ほしいから、もうお願い……っ」
「本当に貴様は可愛い。なんでも言うことを聞いてやりたくなるな」
魔王は指を引き抜いた。それからゆっくりと、ぬるぬるになった肉筒を擦りながら触手も引き出されていく。その感覚にぞくぞくと体が震え、ペニスの先端から新たな先走りが零れた。やがて、ちゅぽんと卑猥な音を立てて触手が胎内から出てきた。
ペニスは戒められたままで、体は解放を求めて疼いている。早くこの熱を吐き出したい。その強い欲求が悠太の頭を占めていた。
魔王は立ち上がり、愛しげに悠太を見つめる。悠太の顔は涙と汗と鼻水と涎でぐちゃぐちゃなのに、愛おしそうに微笑んで、頬に触れた。汚れた悠太の顔に、キスをする。
触手が悠太の体を持ち上げた。脚を大きく広げられ、股間を差し出すような体勢にされる。それでも悠太はされるがままだった。
「ユータ、私のものだ……」
レースの下着を横にずらされ、ぐりっと、熱い塊がアナルに押し付けられた。
視線を向けると、それは魔王の陰茎だった。
悠太のものよりも遥かに太くて長い。血管が浮き出て、黒ずんだ見た目はまさに凶器のようだった。膨らんだ亀頭が、アナルにめり込んでいる。
「あ……っ」
悠太の瞳が恐怖に揺れる。けれどそれは一瞬のことだった。
本格的に怯える前に、肉棒が捩じ込まれる。その衝撃で、恐怖は掻き消えた。
「ひあっ、あっ、あっ」
大した抵抗もなく、解された後孔は太い陰茎を飲み込んでいく。感じるのは内臓を押し上げられるような圧迫感と、硬い楔で内壁を擦り上げられる快感。
ゆっくりと腰を進めながら悠太を抱き締め、魔王は熱い息を吐く。
「はあっ、ユータ、私のユータ……美味そうに私のものを締め付けて……堪らない……もっと、奥まで受け入れるんだ」
「やあぁっ、もう、いっぱいだから……入んないよぉっ、んあっ、あぁっ」
まだ先端しか入っていないのに、胎内はぱんぱんに広げられているような感覚だった。
「怖がる必要はない……ただ、気持ちいいだけだ」
「だって、おっきぃ、から……っ」
ひんひん泣く悠太の頬に、魔王の唇が触れる。
「はあ……可愛い、ユータ……。怖くない。ユータは大きいのが好きだろう?」
「好きじゃ、ない……怖い、んっ」
「では、これはどうだ……?」
ずるっと肉棒が更に奥へ入り込んでくる。そして硬いエラで前立腺をごりごりと擦られた。
「ひぁっ、あぁっ、らめ、そこ、らめぇっ」
「ほら、気持ちいいだろう? 中が嬉しそうに蠢いているぞ」
「ああぁっ、そこ、そこ、ぐりぐり、されたら……ひっ、あっ」
「気持ちいいか? こっちも気持ちよさそうに蜜を零しているな」
「あぁんっ」
触手にペニスを扱かれ、悠太は快感に鳴いた。射精を塞き止めるために根本に絡みついていた触手の締め付けが緩んだ。射精を促すように、激しく上下に擦られる。
「イッていいぞ、ユータ。好きなだけ出すといい」
「ひぅっ、いく、いくいくっ、あ……っ〰️〰️〰️〰️!」
勢いよく精液が吹き出した。
悠太は陶然とした表情を浮かべ、愉悦に体を震わせた。埋め込まれた雄蕊をきゅうきゅうと締め付け、それによって肉壁が擦られ、更に快感が生まれる。
漸く射精を許された解放感に、悠太は体から力を抜いた。
けれど、射精が終わっても触手は離れなかった。萎えたペニスを扱きつづける。
「ひっ、やら、もういったっ、出したから、離して、ひぁっ」
必死に制止の声を上げるが、触手は離れない。精液で濡れたペニスを、ぐちゅぐちゅと激しく擦る。
爪先まで痺れるような強すぎる感覚に悠太は怯えた。触手を引き剥がしたいのに、悠太には声を上げることと首を振ることしか許されていない。
「やあっ、はなひて、お願いっ、やらぁっ、もう、ちんちん触んないでぇっ」
悠太が本気で懇願しているというのに、やはり聞いてもらえない。
顔をぐしゃぐしゃにして泣く悠太を、魔王はギラギラとした双眸で凝視している。興奮した様子で荒い息を吐き、猛った男根を深く捩じ込む。
「ひゃああぁっ、やめ、お腹、押さないでっ」
「ユータ、ユータ、ああ、なんて可愛いんだ……っ」
「やっ、お願い、もう許してっ、ちんちん離して、漏れる、漏れちゃうからぁっ」
「漏らせばいい。ユータの全てを私に見せろ」
竿を扱きながら先端も擦られ、射精とは違う感覚が込み上げてくる。
どうにか堪えようとするけれど、刺激を与えられつづけ、我慢などできなかった。
「んやああぁっ、あっ、ああぁっ」
ぷしゃあっ、と尿道から勢いよく体液が噴出した。ガクガクと内腿を痙攣させながら、悠太ははじめて味わう快楽によがった。その姿を魔王が目に焼き付けていることには気づかなかった。
吹き出した体液が、悠太と魔王の体を汚す。それを目に写し、強烈な羞恥と罪悪感に襲われた。
「あっ、あぁ……ごめんなひゃいぃ……っ」
「くくっ……たくさん漏らしたな」
「ふうっ……ごめんなさっ、あっ……うう……」
「はっ……本当に、可愛い奴だ。何度でも漏らせばいい」
触手はびしょびしょになりながらも、まだペニスを擦っている。
「やらっ、もうやらっ、あぁっ、ちんちんもう弄らないで、もう出ないっ」
「嘘をつけ。まだまだ出せるだろう?」
「ひうぅっ」
「はあっ、すごいな、ペニスを擦るたびに、後ろがきつく締まって……っ」
「あぁっ、あっ、やあぁっ」
ずんっと腰を突き上げられ、一気に奥まで貫かれた。内奥に突き入れられた状態で、小刻みに腰を揺すられる。肉筒を陰茎の大きさに馴染ませるように、同じ場所にとどまりつづけた。
「ひあっ、あっ、あっ、やっ」
「気持ちいいか? ペニスがまた蜜を漏らしはじめたぞ。我慢せずに出していいからな」
悠太は与えられる快楽の濃さに酔いそうだった。
前と後ろを同時に刺激されるだけでも頭がおかしくなりそうなのに、乳首を弄る触手はまだ動いていて、身体中のあちこちを嬲られ、もうわけがわからなくなる。
凌辱されているのに気持ちよくて、悠太を見つめる魔王の眼差しは蕩けるほどに甘くて、体だけでなく心まで陥落させられそうで怖かった。
「ユータ、ユータ……」
熱っぽく名前を呼ばれ、優しくキスをされると、どうしようもなく心がぐらついてしまう。
気づけば悠太は、自分から魔王の舌に舌を絡めていた。差し込まれた長い舌に、ちゅくちゅくと吸い付く。
深い口づけを交わしながら、これ以上ないと思っていた更に奥へと陰茎を突き立てられた。
「んんんぅっ……!」
衝撃に悠太は目を見開き、思わず魔王の舌に歯を立ててしまった。
胎内の奥の奥まで犯され、悠太はひくひくと喉を震わせる。
魔王は口を離し、糸を引きながら舌を引き抜いた。悠太が噛んだせいで、赤い血が滲んでいる。
「よく頑張った、ユータ。ちゃんと私を受け入れられたな」
「ふぁっ、あっ……ん、は……っ」
魔王の掌が、労るように悠太の頭を撫でる。
みっちりと剛直を埋め込まれ、お腹の中がパンパンに満たされているような感覚だった。
「あぅっ、お尻、いっぱいになってる……うぅっ」
「ああ。ユータの中が、私でいっぱいになっているな」
嬉しそうに言って、魔王は軽く腰を揺する。
「はうっ、ふ、あっ、動いちゃ、やぁっ……」
「ユータは中を擦られるのが好きだろう? 馴染むまで、ゆっくり擦ってやろう」
「ひはっ、あっ、あぁっ」
ずるずると陰茎を引き抜かれ、そしてまたゆっくりと押し込まれる。それを何度も何度も繰り返された。粘液でぬるぬるになった肉壁を、固くて太いもので擦り上げられる。目も眩むような快感に、悠太はまた射精していた。
「あっ、あんっ……んん……っ」
「気持ちいいか、ユータ?」
「い……気持ち、いいっ、あ、いいよぉっ」
「可愛いな、ユータ。私も、もう限界だ」
魔王の両手が、悠太の腰を強く掴んだ。そして、激しく腰を打ち付ける。
「ひああっ、あっ、ああっ」
容赦なく内奥を穿たれ、悲鳴が迸る。
体が揺さぶられるほどの抽挿を繰り返されても、既に快感しか感じなかった。
ごりごりと抉るように擦り上げられ、貫かれる。粘液で柔らかく解された肉襞は、出し入れされる陰茎に纏わりつく。
「ああ、ユータ、すごいな、こんなに必死に私のものに絡みついて……子種を搾り取ろうとうねっている」
「ひんっ、あっ、んああっ」
ぐりぐりと感触を楽しむように前立腺を亀頭でしつこく擦り、それからまた奥を突き上げる。
断続的に与えられる快楽に、悠太は何度も精を吐き出した。ぺニスとそれに絡みつく触手は悠太の精液でどろどろだ。
引き抜かれた陰茎が押し込まれ再び精が溢れるが、もうすっかり薄くなっている。
「ああんっ、ひ、あぁ……っ」
「はあっ、ユータ、たくさん精液を漏らしたな……そろそろ、私も……」
律動が速くなる。悠太はただ喘ぐことしかできない。
「奥に、種付けしてやる……しっかり孕めよ」
「あっ、あああぁっ……」
ごちゅっと強く押し込まれた先端から、熱い体液が放たれる。
「あぁっ、熱い、お腹に、熱いの、いっぱい……っ」
びゅるびゅると、大量の精液が注がれる。悠太は尿を漏らしながらそれを受け入れた。精液で濡れそぼったぺニスから、しょろしょろと温かい体液が流れ出る。
「あっ、ごめ、なひゃ……おしっこ、漏れ……っ」
羞恥と情けなさにぽろぽろと涙が零れる。
溢れる涙を、魔王が舌で舐めた。
「ユータ、なんて可愛い奴だ……顔を真っ赤にして恥じらうユータは、本当に愛らしい」
「あんっ、やだ、お尻、ずんってしないで……っ」
興奮した魔王の荒い息が肌に当たる。
精を放ったはずなのに、胎内に埋め込まれている陰茎は全く萎えていない。しっかりと根本まで挿入されたまま、また腰を揺すられる。
「やあっ、もう体痛い、触手取ってぇっ」
「そうだな。ずっと同じ体勢では辛いか」
魔王は体を繋げたまま床に腰を下ろす。
悠太は彼の体に跨がる体勢になった。絡みついていた触手が、しゅるしゅると引っ込んでいく。けれど陰茎は抜いてもらえない。
下から、緩く腰を突き上げられた。
「ひあっ、やら、もう、しないで、あんっ、やだぁっ」
精液でぐじゅぐじゅになった肉筒を掻き混ぜられ、悠太は掠れた悲鳴を上げる。
自由になった両手で、魔王の腕にしがみつく。そうしなければ自分の体を支えられない。
「あぁんっ、やめ、もぉ、お尻おかしくなる……やっ、も、抜いて……っ」
「まだだ。ユータのここに、しっかりと私の形を覚えさせてやらなければならないからな」
「あっ、そんなの、やだぁっ……」
「嫌ではないだろう? ユータは中を私のもので擦られるのが好きなのだから」
「ひゃああぁっ」
「こうして、強く突かれるのも好きだろう?」
「んあっ、あっ、あああぁっ」
悠太は射精せずに絶頂を迎えた。同時に、肉棒を咥え込んだ後孔がぎゅぅっと締まる。
「はっ……ユータのここは、感じるとよく締まる」
「やらっ、いってる、から、ずんずん、しないでぇ……っ」
絶え間なく直腸を擦られ、何度も絶頂へと導かれる。終わらない快楽に悠太は怯え、無意識に魔王に縋りつく。
「ユータは可愛いな。このままでは、歯止めがきかなくなりそうだ……」
うっとりと微笑んで、魔王が悠太の唇を舐める。
悠太は反射的にその舌を迎え入れるように口を開いていた。嬉しそうに魔王の舌が差し込まれる。ちゅくちゅくと舌を吸い上げると、微かに血の味がした。
「んんぅっ、は、んっ、んあっ」
濃厚なキスをしながら、突き上げが激しくなる。
息苦しいけれどキスが気持ちよくて、口を離せなかった。キスの合間に息継ぎをしながら、胎内を穿たれる快感に耽溺する。
じゅるるっと舌を吸われ、強く抱き締められた。同時に、内部の熱が弾けるのを感じた。びくびくと跳ねる雄蕊から、再び大量の精液が注ぎ込まれる。
悠太は送り込まれる唾液を必死に飲み下しながら、それを受け入れた。
「んはぁっ……あっ……」
離れていく唇を、悠太は蕩けた顔で名残惜しげに見つめていた。
愛おしそうに目を細め、魔王は悠太の首筋を舐め上げる。
「ふあぁっ」
「本当に、貴様は可愛すぎる……可愛すぎて、止められない……」
触手を使って支えられ、繋がったまま体を反転させられた。内部が擦られ嬌声を上げる悠太を、魔王は押し倒す。うつ伏せにされ、上半身が力なくぺたりと床につく。魔王の両手に掴まれた腰だけを高く突き出すような体勢になった。
魔王の陰茎はまだ硬度を保ったままで、どくどくと脈打っている。
「ひにゃっ、あぁっ、あっ、あ──っ!」
反り返った肉塊で、激しく肛壁を抉られる。腰を打ち付けられるたび、揺れるぺニスからぽたぽたと体液が滴り落ちた。もう精液は出し尽くしてしまった。
「はひっ、ひ、ひうぅ……っ」
ぱんぱんと肉のぶつかる音と、ぐちゅぐちゅと粘液が掻き混ぜられる卑猥な音が響く。
ぐちゅんっと強く奥を貫かれ、悠太は身をくねらせた。そのとき、動いた手に、なにかが当たった。それは悠太が落とした魔法のステッキだった。
「ユータ、可愛い、ユータ、貴様は私のものだ……っ」
「やっ、あっ、奥、そんなに、しちゃ、やあぁっ」
「奥を、突かれるのが好きか? すごいな……搾り取られそうだ……っ」
「ひうっ、らめ、らめ、あっ、あんっ」
「また、奥に種付けするぞ」
「ひっ、あっ、あああっ」
一際強く内奥を穿たれる。低い呻き声と共に、どぷどぷと精液を叩きつけられた。
粘膜に大量の熱い飛沫をかけられ、悠太はぷるぷると腰を震わせた。
「んにゃ……あぁっ」
「ユータ、私のユータ……っ」
全てを出し切り、魔王がゆっくりと腰を引いた。ゆっくり時間をかけ、ぬぽんっと肉棒が引き抜かれた。
長時間太い楔を打ち込まれていたアナルは開いたままで、とろとろと泡立つ体液が滴り太股を伝う。
荒い息を吐きながら、悠太は手元にあるそれに触れた。力の入らない指で、どうにか握り締める。
魔王の手が、悠太の背中を優しく撫でた。
「ユータ、このまま、私と一緒に……」
「セクシーストロベリーフラッシュ!」
振り向きざま、悠太は握ったステッキを魔王に向けて呪文を唱えた。
「ぐわぁ……っ」
至近距離で魔法が発動し、さすがの魔王もよろけて後ろに下がった。
その隙に、悠太は力を振り絞って駆け出した。倉庫を出て、体力のつづく限り遠くへ逃げた。下半身はガクガクで、全くスピードは出なかった。
ふらふらの足で辿り着いた、人気のない建物の陰で呼吸を整える。後ろを振り返るが、魔王が追いかけてくる気配はなかった。
悠太はステッキを頭上に掲げる。
「ふ、普通の男の子に戻れー」
魔法少女に変身したときと同じように、キラキラと輝く光の粉が降り注ぐ。すると、精液やら潮やら尿やら色んな汁でぐちょぐちょに汚れていた魔法少女のコスチュームが、元々着ていた学ランへと変わる。
汚れきった衣装から解放されたことにはほっとしたが、肌についた汚れは落ちていない。悠太の尻の穴には、たっぷりと注がれた精液が残っている。量が多すぎて、じっとしていても溢れてきてしまう。
「ううっ……」
惨めさに嗚咽が漏れる。
悠太の活躍で、街の平和は守られた。けれどなんの喜びも感じなかった。達成感も充足感もない。街の平和と引き替えに、悠太は大事なものを失った。
今日起きたことは、全て忘れよう。
もう二度と、魔法少女になんてならない。
心に誓って、悠太は泣きながら帰路に就いた。
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