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第14話 渚視点

 営業がおわり、礼央を待っている流星を心の中でギィと睨みながら店を出る。  渚だって、許されるのなら礼央の仕事が終わるまで毎日店で待っていたい。  礼央が真剣に仕事をしているのを眺めて、そのあと一緒の家に帰れたらどんなに幸せか。礼央は絶対嫌がるだろうけど。  今日はアフター長く付き合ってやる! 倍返しだ! なんて息巻いていたが、本日のアフター相手、渚のエースであるまりあは三時過ぎにになった時点で「あ、渚くん帰る時間じゃーん。店長に怒られるよ!」と言って店から放り出された。  礼央には言っていないが、渚の客には礼央と二人で会社の寮に住んでおり、礼央より後に帰ると物音とか風呂の順番で気を遣わせちゃうからアフターは付き合うけど早く帰ると伝えている。  こう言わないと「どうせ女と同棲してるんでしょ!!」と詰られる。  違う、男と同棲してるんだよ!! 「ただいまでーす……」  帰宅したが、電気一つ点いてない真っ暗な部屋に萎える。  いつもは礼央が帰ってくるまでにやらなきゃいけないことがたくさんあるので、感傷に浸っている暇はないのに。  スマートフォンを見てもまだ礼央からの連絡は来ていない。  真っ暗なリビングのソファに寝転がる。   「はやく帰ってきて……礼央さん……」  

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