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第18話 渚視点

「ぬるい」 「そりゃそうですよ」  常温保管してるし。一回俺の口に入ってるし。  シャツも脱がしてパンイチになった礼央さんを寝室に運ぶ。  酒でほんのり赤くなった肌が目に毒だ。 「はなせけだもの! おかされるっ!」  腕の中で礼央さんがばたばたと暴れる。  酔っ払って力加減が出来てないから結構痛い。 「ちょ、礼央さん落ち着いて〜どうどう」 「オレは珍獣かっ。はなせ」 「礼央さん自分で歩ける?」 「…………」  礼央の中で今から寝室まで自力で歩くのと、大人しく運ばれるのか選んだ結果、腕の中で大人しくなった。  はあ、かわいい。人類の宝。いや知ってたけど。  礼央をベッドに恭しく降ろして隣に腰掛ける。 「礼央さーん、起きてる?」 「ねてる」  枕に顔を埋めながらぐずる礼央の髪の毛を触る。 「風呂は?」 「……あした」 「もー寝ちゃうの、礼央さん」 「だからねてるって」 「俺寂しかったんですよー、リビングで一人泣きながら待ってました」 「おとこなんだから、きゃんきゃんなくな」 「男っていうか、それ犬ですよね?」 「どっちもいっしょだろ」 「そうかな……ならお利口にお留守番できた俺にご褒美ください」 「しょーがねえなあ。れーとーこにあるアイスくっていいぞ」 「それ買ってきたの俺です。二つあるんで今度一緒に食べましょうね」 「うん……」  礼央が流星と飲みに行って一緒のタクシーで帰ってきたことに腹を立ててたはずなのに、もにゃもにゃと会話する礼央が可愛くて、怒りがどっかにいってしまった。  さすが礼央さん、可愛さで怒りを癒す天使。

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