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第21話

 頭が痛い。  これが二日酔い的な意味での頭が痛いだったらどんなに幸せなんだろう……。  礼央はすぐ酔っ払うが、酔っ払ってからが長いし、記憶を失うことはほとんどない。  昨夜というか、今朝のこともばっちり覚えている。何度自分が酔っ払ったら記憶が抜ける体質じゃないことを恨んだか。  隣でぷすぷす眠る渚のアホヅラをはっ倒したくなると思ったら、無意識のうちに渚を蹴っ飛ばしてベッドの下へ落としていた。 「ゔ……礼央さんおはよーございます」  ベッドの下に転がった渚を睨みつける。 「おまえ……なんだ昨日の態度は! 流星にバレたらどうしてくれんだよ!」 「なにがですか? 俺と礼央さんが同棲して毎日ラブラブでセックスしてるってことがですか?」 「事実が! 一個も! ねーんだよ!!」 「ちょ、朝から元気すぎますて……」 「だれが元気にさせてんだ!!」 「俺ですか? なんかやらしいなその言い方……」  疲れる。ほんとに疲れる。  のそのそと渚が床から起き上がった。 「てか、事実が一個もないなら流星に知られても大丈夫じゃないですか! 礼央さん心配しすぎです。昨日一応礼央さんがうつらうつらしてるとき風呂入れましたけど、入ってきてください。その間に飯作っておくんで」  捲し立てられて、風呂場に追いやられる。  なんだか口で負けたみたいで不愉快だ。  温かいシャワーを浴びていると、尻の奥にまだ何か入っているような違和感が気持ち悪い。  渚のチンコは決してささやかなサイズではない。  己の身をもって何度も体験しているはずのに、なんだよ、はいっても気付かねえって……気付くわボケ!! 今朝の自分を思い出して、恥ずかしさでのたうち回りたくなる。  つーかあいつもあいつで毎回酔っ払いに手出すなよ!  はあ……あいつのチンコ、まじでボールペンサイズにならないかな。

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