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第4話

ぼくの事を知る事のない、前の職場からも実家からも遠くに行けばいいのかな。 翌日、ぼくは車に悠太郎を乗せ、2時間ほど運転したところにある街に来ていた。 幼稚園教諭になる為にピアノのレッスンに励んでいた学生時代。 この街には、その時にあったピアノの発表会やコンクールの会場として来た事があった。 世界的指揮者の黄嶋賢治郎(きじまけんじろう)さんのコンサートもここで開かれた事があって、親に頼み込んでチケットを買ってもらって見た事もあったなぁ。 駅近くの有料駐車場に車を停め、悠太郎とファミレスでお昼ご飯を食べたあと、ぼくはあの頃と少し変わった街並みを歩いていた。 あぁ、そうだ、ハローワークはどこだろう。 今日は離職票は持ってないけど、聞くだけ聞いてみようかな。 そんな事を思いながらスマホでハローワークの場所を調べ、そこに向かって歩こうしていた時だった。

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