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第30話
「素晴らしい。君のピアノは一生懸命さが伝わってきて聴いていて気持ちがいいよ。これから色んな事を吸収して、もっと明るく楽しい音になればいいね」
ぼくの拙い演奏を、園長先生は拍手をして下さり、褒めて下さった。
「あ…ありがとうございます。ゆみ先生のお陰でなんとか弾けました」
「わたしは合わせただけですよ、もも先生」
すごく上手なのに、ゆみ先生は決してそれをひけらかさず、優しく微笑んでくれる。
「引越し業者もこちらで手配できるので、後は日にちを決めるだけだね。後で都合の良い日を春翔君に伝えてもらえるかな?費用だけど、光熱費等の実費を払ってくれるだけでいいから」
「は、はい、分かりました!本当にありがとうございます!!」
ぼくは園長先生に深々と頭を下げていた。
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