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第34話

「かんぱーい!!」 はるか先生の音頭でグラスを合わせる。 「……あ、美味しい……」 はると先生に注いで頂いたワインを口にすると、甘い味がしてすごく飲みやすかった。 「気に入ってもらえて良かったです」 ぼくの言葉に、横に座っていたはると先生が笑ってくれる。 はると先生、はるか先生、はるき先生は同じワインを、紺野さんはビールを飲んでいるみたいだ。 「お子ちゃまの癖に酒は飲めんだな。って言っても酒のうちにも入んねぇやつか」 向かい側のはるき先生の隣に座っている紺野さんはそう行ってビールを飲み干す。 「浩だってワイン飲めねーじゃん」 「うるせーな、ワイン不味いだろ!!しかもお前らが飲んでるやつ、アルコール度数高過ぎ!それなのに平気でガンガン飲んでるとかお前らおかしいって!」 はるか先生が紺野さんをからかいながら、空になった紺野さんのグラスにビールを注ぐ。 紺野さんははるか先生に反論し、注がれたビールをすぐに飲んでいた。 「そう?春希はすぐ赤くなるけど」 「春楓、あんまり言わないで。赤くなるの、恥ずかしいから」 そう話すはるき先生の顔は既に赤くなっていて、いつもより怖い感じはしない。 「春希が赤くなっているのを見て、謝恩会の時にお母さん方に可愛いって毎年言われてるよね」 「そうそう!はるき先生のレア写真とか言われて、毎年お母さん方全員とツーショット撮らされてるよな」 既に2杯目のワインを飲み終えそうなはるか先生とはると先生が顔色ひとつ変えずに話しながらお互いのグラスに3杯目を注ぎ合う。 「もう……僕の話はいいから……」 眼鏡を直しながら照れくさそうにするはるき先生。 空になったグラスに、はるか先生がワインを注いだ。 「ったく、お前らペース早過ぎ」 「そう言われてもなぁ。いつもこのペースだし」 ぼくがグラス1杯を飲み干す間に、先生方は4杯はお酒を飲んでいた。

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