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第51話

入園式を終え、新入園児の御家族が帰られた後、はるか先生が声をかけてくれて悠太郎を真ん中に先生方全員が入って下さり、幼稚園のカメラとスタンドをお借りして記念写真を撮った。 「悠太郎くん、おめでとう」 「あ、ありがとう……」 園長先生にもじもじしながら言葉を返す悠太郎。 前よりは先生に慣れたみたいだ。 「もも先生、とても素敵な演奏だったよ。お子さんの緊張を和らげるようなあたたかい演奏が出来ていたね」 「あ、ありがとうございます!」 園長先生に褒めて頂けて、ぼくはすごく嬉しい気持ちになった。 「今日は悠太郎の入園祝いだな!もも、春翔んちでお祝いのパーティやろうぜ!!」 「えっ、あっ、えっと……」 はるか先生の誘いに、ぼくはどう答えていいか分からなかった。 「きょう、ひろせんせい、ごはんつくってくれる!!」 すると、悠太郎が言った。 「へー、ひろ先生がねぇ。明日大雨だな」 「んだよ、春楓!オレのカレー、めっちゃ美味いって言って3杯おかわりしたくせに!!」 「あー!そうだ、お前、カレーだけは美味いもんな。じゃあパーティは金曜日にするか!!」 「ふふっ、春楓が騒ぎたいだけじゃない。楽しいからいいけど」 「君たち、仲が良いのはいいけど、ハメを外しすぎないようにね」 あぁ。 こんなあたたかい雰囲気の中にいられるなんて、ぼくは本当に幸せ者だ。 悠太郎も短期間のうちにすごく明るくなって、お話も上手になって。 ここに来られて、本当に良かった。

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