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第52話

夕方。 浩はスーツから私服に着替えてぼくの家に来た。 「悠太郎、何がいい?」 「カレー!はるかせんせいがおいしいっていってた!!」 「分かった。じゃあ一緒に買い物行こうか」 「うん!」 浩の車でスーパーに出かけ、買い物をして帰宅する。 ぼくは浩に料理をお任せして、悠太郎をお風呂に入れていた。 「おっ、悠太郎、さっぱりしたか?」 「うん!」 浩が用意してくれたカレーライス。 悠太郎のにはクマの形をしたハンバーグが載っていた。 「くま!」 「パパはこんなのできねーだろ?」 「すごい!おいしーい!!」 悠太郎は嬉しそうに食べていた。 「ありがとう、浩。素敵なカレーを作ってくれて」 「悠太郎向けに作ったから、甘くて物足りないだろ?コレ入れろよ」 そう言って、浩は辛そうな色をした小瓶を渡してくる。 「ほんの少しだけ入れろよ。入れすぎたらめっちゃ辛くなるから」 「分かった」 おそるおそる瓶を開けて1滴だけ落としてカレーに混ぜる。 辛い物が苦手なぼくには、それでも辛かった。 でも、浩のカレーはすごく美味しかったんだ。

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