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第64話

連休中、今後の保育内容についての会議や母の日コンサートの為の準備もあったけど、お休みもあった。 それで浩が悠太郎を連れて遊園地に行こうって誘ってくれて、ぼくは車を運転してもらう代わりに3人分のお弁当を作っていた。 初めて挑戦した唐揚げ。 はるか先生が送ってくれた、はると先生が料理している動画を見ながら作ってみたんだけど、味見したら美味しかったから多分大丈夫なはずだ。 「おっ、親子でお揃いなんてカッコイイじゃん!!」 「ひろせんせいもおんなじしましまだね!!」 迎えに来てくれた浩はお休みだから左耳に黒い輪の形をしたピアスをして、紺色と白のボーダーのTシャツにグレーのパンツを履いていた。 ぼくは悠太郎とお揃い…黒のニット帽に黒と白のボーダーのシャツを着て、カーキ色のパンツにしていた。 ぼくの車からチャイルドシートを出すと、浩の車に移動させて後部座席に設置し、そこに悠太郎を座らせた。 遊園地は車で1時間くらいのところにあって、一緒に動物園もあった。 「ぼく、どうぶつえんいきたい!!」 「悠太郎、遊園地じゃなくていいのか?」 「うん!!」 「分かった、じゃあ動物園行くか」 「わーい!!」 動物が好きな悠太郎は、動物園があると分かるとこう言った。 「とり!うま!うさぎ!」 ぼくと手を繋ぎながら歩き、目に入った動物を指さして言う姿が可愛いくて、スマホで写真を沢山撮影してしまう。 「ヨースケ、一緒に撮ってやるよ」 「あ、ありがとう」 ぼくが撮っているのを見て、浩が声をかけてくれる。 「ひろせんせい!せんせいもいっしょ!!」 「え?オレも?」 「せんせいもいっしょがいい!!」 悠太郎が浩の方に走っていき、その脚にしがみついた。 「んじゃ、撮るか」 そう言って浩は悠太郎を抱き上げると、スマホを操作して3人の写真を撮ってくれた。 「ホラ、撮れたぞ、悠太郎」 「わぁ!やったー!!」 浩に抱かれたまま、嬉しそうな悠太郎。 ぼくは悠太郎が沢山笑っているのを見られてすごく幸せな気持ちになっていた。

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