73 / 151

第73話

「かんぱーい!!」 今日の音頭は、はるか先生に教わった悠太郎が取る事になり、その可愛い姿をぼくはスマホで撮影していた。 「親バカだな」 隣に座った浩がビールの入ったグラスを片手にそんなぼくを見て笑ってくる。 「自覚してるから」 ぼくは、はると先生が用意してくれたスパークリングワインに口をつける。 「……あ、美味しい……」 こないだのとは違う、レモンの味がする白いワイン。 爽やかですごく飲みやすいなぁって思った。 「それは良かったです。もも先生はスパークリングならワイン、大丈夫そうですね」 「はい……」 はると先生の笑顔に応えるぼく。 でも、カクテルやチューハイよりはたくさん飲めないかも。 それにこないだは途中で寝ちゃったから気をつけないと。 あ、でも、寝ちゃったから浩との距離が縮まったのか。 ……なんだか、ぼくの中で浩の存在が日に日に大きくなっていってる気がする。

ともだちにシェアしよう!