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第81話

はるみくんのお迎えは、いつもお父さんの杜明日南(あすな)さんが来ていた。 初めてお見かけした時は分からなかったんだけど、杜さんはテレビにもよく出演されていらっしゃる、世界的にも有名なIT会社、『Forest』の社長さんだった。 はるか先生たちとは幼稚園から高校の途中までずっと同じ学校だったらしく、いつもお迎えに来るとはるか先生と楽しそうに話をしていた。 明るくて気さくで素敵な人だと思っていたから、はるき先生やはると先生に意地悪をしていたなんてちょっと信じられなかった。 「はるか〜!今日もcuteだね!!君のsmileに癒されるよ〜!!」 「お前さ、それ毎日言って飽きねぇの?俺、もう飽きたんだけど」 お迎えに来ると、毎回はるか先生に抱きつきながら話す杜さん。 「パパー!!」 「春海!!今日も幼稚園は楽しかったかい?」 「うん……」 はるみくんは杜さんを見つけると嬉しそうに走っていき、杜さんもはるか先生から離れてはるみくんを抱き締め、頬にキスをする。 笑顔の杜さんに、はるみくんは少し緊張したような顔をして応えていた。 「明日南、ちょっといいかな。2人で話したい事があるんだ。こっちに来てもらえる?」 「ん?いいけど」 「はるみくん、パパがお話終わるまで、先生とゆうたろうくんとホールで遊ぼうよ」 「うん!」 意を決した様子のはると先生は、杜さんに声を掛けると教室まで案内していた。 ぼくは、はるみくんに声をかけ、ホールで遊んでいる悠太郎の所に連れて行った。

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