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第82話

3人でブロックで遊んでいると、はると先生と杜さんがホールに来た。 ふたりの表情は穏やかで、あたたかい雰囲気に包まれているように見えた。 「ゆうたろうくん、春海を助けてくれてありがとう」 そう言って、杜さんは悠太郎の頭を撫でる。 「あなたのお子さんだそうですね。素敵なお育て方をされていらっしゃる。実にwonderfulです」 「い、いえ、そんな……」 テレビにも出ている人に言われ、握手までされてぼくはドキドキしてしまった。 「春海、good friendが出来たね。パパ、すごく嬉しいよ」 「パパ!ボク、ゆうたろうくんloveなんだ!!ゆうたろうくん、ピアノがじょうずなんだよ!!」 春海くんは杜さんの言葉にすごく嬉しそうに目を輝かせる。 「Amazing!!ピアノが上手なんてすごいね!」 「パパ、ボクもピアノやりたいよ!!ゆうたろうくんといっしょにピアノplayingしたい!」 飛び跳ねながら杜さんに話す春海くん。 こんなに元気に話している姿は幼稚園ではまだ見せていなかった。 「WOW!春海もピアノ!!それは素敵だね!!春翔、この近くにピアノ教室ってないかい?」 「うーん、僕の知る限りではないかな」 はると先生は杜さんの質問に少し考えた後で答える。 「OK、じゃあ教室を作ればいいね!もも先生、レッスン時間がお仕事中ならお子さんの送迎は僕がしますので、ぜひうちの春海とピアノ教室に通って頂きたいです」 「えっ!?」 いきなり話を振られ、それが急展開過ぎてぼくはどうしていいか分からなかった。 「うちの春海がゆうたろうくんと行きたいと言っていますので、ゆうたろうくんさえ嫌じゃなければ前向きに検討をお願いします」 「え……あ……はぁ……」 ぼくが困惑していると、杜さんがもう一度ぼくの手を痛いくらい握ってくる。 「明日南、いきなり色々言われてもも先生困ってるよ」 「Oh、sorry!!でも、親として子供のやりたい事を応援したい気持ち、分かりますよね?僕、必ずピアノ教室を近くに用意しますのでよろしくお願いします!!」 はると先生が助けてくれようとしたけど、杜さんはマイペースだ。 「あぁそれと、来月の父の日コンサートの後、僕の別荘でバーベキューパーティをするんだ。君たちにも来て欲しいからそのつもりでいて欲しい。春楓と春希にも予定空けといてって伝えてね」 「あ、うん、分かったよ……」 『君たち』って、ぼくや悠太郎も入っているのかな? 大丈夫かな、ぼくなんかが一緒に参加させて頂いちゃって。

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