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第83話
「へー、やるじゃん、悠太郎!!お友達を守るなんてスゲー偉いぞ!!よし、オレがご褒美に悠太郎の好きな曲、弾いてやる!!」
「わーい!!」
夜。
今日の出来事を耳にしたという浩が、心配してうちに来てくれた。
お土産にアイスクリームを持って来てくれた浩に、ぼくは多めにシチューを作ってしまったのでそれを出していた。
浩は完食すると、悠太郎の為にピアノの演奏をしてくれたんだ。
「ひろせんせい、ぼくもはるみくんとピアノやるんだよ!」
「へー、悠太郎もピアノ習うのか」
「うん!はるみくんとやくそくしたんだ!!」
嬉しそうに話す悠太郎。
あぁ、悠太郎はピアノを習いたいって思ってるんだ。
家事や浩が急に来る事になったりして確認するの、すっかり忘れてた。
「パパより上手くなれよー、悠太郎」
「うん!はるかせんせいみたいにぱんだになる!」
「おっ、はるか先生目指すのはめっちゃいいと思うぞ!」
自分の気持ちをキラキラ目を輝かせて話している悠太郎の姿に、ぼくは涙が出そうになった。
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