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第85話

「こんなのもあった」 そう言って、浩はお姫様の格好のはると先生と王子様のような格好のはるき先生の画像を見せてくる。 今にもキスしそうなくらいの距離で見つめあっているおふたり。 はると先生はすごく綺麗な女の人に見えた。 「高校の時、学祭でシンデレラやったんだと。クラスの女の子に頼まれて撮ったらしいけど、あん時酔っ払ってたからふたりして自分が王子様でシンデレラは春楓が良かったって思ってたって言って喧嘩になって春楓に怒られてたな。あ、春楓もシンデレラのお姉さん役で出たらしくて女装した画像あるぞ」 「……!!」 浩が見せてきたのは、女装しているはるか先生とはると先生がキスをしている画像だった。 「学校で女装してこんなキスしてる写真自撮りで残してるとか、春翔も学生時代なかなかイカレてるよな。あ、コレは春翔がアルバムに入れてた写真の後ろに隠してたのを見つけて撮ったんだけど」 情熱的なキスをしているおふたり。 ぼくはその姿にドキドキしてしまってた。 「……人のキス見て興奮したのか?ヨースケ」 「そ……そんな事……」 画面を閉じると、浩がぼくの顔を覗き込んできてニヤリと笑う。 「オレらも撮ろっか、キスしてるトコ」 「や、やだよ恥ずかしい。それにぼく、キス下手なんでしょ?」 「お前、何気に下手って言われたの気にしてんだ。可愛いなぁ」 浩はスマホを操作し、自撮りするような状態にする。 「や…………ッ……!!」 強引に抱き締められて、ぼくは浩のキスを受け止めるしかなかった。 シャッター音がした後、浩はぼくの唇を舌で舐めてくる。 「ん……んん……っ……」 浩がスマホをテーブルに置く音がして、その手がぼくの首筋を撫でた。 「ん……可愛い、キスした後のその顔。もっとエロい事してってねだってきてるように見える」 「そ……そんな……」 「良いパパの顔してるお前がオレの前だけヤラシイ顔してんの、スゲー興奮すんだよな。しかもだんだんエロさ増してるし」 そう言って、浩は自分のベルトを外してジーンズと下着を下ろす。 「早く咥えて」 ぼくの顔に既に堅くなっているモノを押し付けてくる浩。 あぁ、浩。 ぼくもそう思うよ。 明るくて、ちょっとお調子者な浩がぼくとふたりになった時、ぼくの行為で悦んでる姿を見るとすごく興奮する。 でも、君はぼくに言わないだけで他の子ともこういうコト、してるかもしれないよね。 それでも、ぼくは気にしないよ。 浩と一緒にいる間、ぼくはすごく満たされた気持ちになれるから。 それで十分幸せだから、それ以上は望まないよ、浩。 そう思いながら、ぼくは浩のを口に含んでいた。 お互いに満たされると、帰宅した浩がぼくにさっきのキス画像を送ってきた。 『永久保存版!!』 そんなメッセージも添付してあったけど、初めて見た自分のキスされてる時の顔がいやらしく見えて、恥ずかしくて絶対保存しないって思ったんだ。

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