92 / 151
第92話
「パパー!よつばのクローバーみつけたー!!」
園庭には先生方が集まって、草むしりをしていた。
「わぁ、すごいね!3つも見つけたんだ!!」
悠太郎が嬉しそうな顔をしてぼくに四つ葉のクローバーを見せてくる。
「はるとせんせいとはるきせんせいがふたつくれた!ぼくがみつけたの、はるみくんにあげるんだ!!」
「そっかぁ、はるみくん、喜ぶね!」
「うん!!」
「お前ら、草むしり終わったら走るぞ!!」
ぼくが悠太郎の頭を撫でていると、はるか先生が言った。
「えっ、僕スーツだけど」
上着は職員室にあるのか、白い半袖ワイシャツ姿のはるき先生が汗を拭いながら応える。
中に着ている黒いタンクトップが透けているのが少し色っぽく見えた。
「ジャージに着替えて来いよ、どうせ汗だくでワイシャツ気持ち悪いとか思ってんだろ?」
「……そうだけどさ。春楓も下、今のズボンじゃなくてハーフパンツの方がいいんじゃない?春楓も着替えた方がいいよ」
「わ、分かったよ、じゃあ俺も着替えてくる……」
はるき先生に促され、ふたりは一緒に園庭を出ていく。
「……僕も着替えてきます……」
それを見たはると先生は、少し不機嫌そうな顔をして後を追いかけていた。
ともだちにシェアしよう!