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第97話

「お前、初めてしたのにケツだけでイケるなんて才能あんじゃん。そのうちオレの、挿れてもいいよな?」 「う……ん……」 間髪入れずに浩のと自分のを脚で挟んでイッて、ぼくは頭がぼーっとしていた。 後始末をしながら話す浩の声は、すごく嬉しそうだ。 浩、ぼくに挿れたいんだ。 そしたら本当にセフレになっちゃうよね。 好きでもない人とひとつになったら、 ぼくはどうなっちゃうんだろう。 「嫌か?」 急に真面目な顔をして聞いてくる浩。 「……正直よく分かんない。こういう関係、初めてだから」 ぼくは素直な気持ちを伝えた。 「あんま自信ねーけど、お前が少しでも嫌だと思うならしない」 「それ、どっちなの?」 何だかおかしくて、笑ってしまった。 「うるせーな!悪いようにしねーって約束しただろ?」 「あぁ、そうだったね」 ダメだ。 浩の事、どう想ってるかとか、浩にどう想われてるかとか、そういう事を考えちゃったらこの関係を続けられない気がする。 ただ目の前の欲求を満たし合う関係、それでいいんだ。

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