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第124話
夏休みも終わり。
始業式のお迎えの時間は、先生方3人が揃うと1学期同様、アイドルのコンサート会場の様な盛り上がりになった。
「2学期もどうぞよろしくお願い致します」
はると先生の挨拶の後、3人がお辞儀すると歓声と拍手に包まれる玄関。
「あぁ〜、御三方見ると癒されるわ〜」
「旦那と同じ生物に見えないわよね!!キラキラしてる〜!!」
「夏休みどうしてたのか知りたいわよね〜」
「あら?知らないの?お祭りの日、3人お揃いの浴衣着て歩いてたわよ!!」
「え〜!?先生方の浴衣姿見た〜い!!」
すごいなぁ、先生方。
「パパ〜!!ピアノきょうしつ、きょうからいけるんだよね?」
ホールを掃除していると、悠太郎がはるみくんを連れて聞いてくる。
「あ、そうだったね。はるみくんのお父さん、お迎えの後まっすぐ行くのかな……」
「ヨースケ、もしそうだったら最初なんだし、春希に事情話してお前も行った方がいいだろ。ここはいいから荷物持って来い」
「あ、ありがとう、浩」
浩に促され、ぼくは職員室に荷物を取りに行った。
職員室に戻っていたはるき先生にピアノ教室の話をすると、今日はそのまま帰っていいという話をされ、ぼくはホールに戻ろうとした。
「Hi!もも先生!!」
そこに、スーツ姿の杜さんが声をかけてくれる。
周りにいたお母さん方は杜さんの登場にザワザワしていた。
「杜さん、こんにちは。レッスン、今日からですよね?ぼく、退勤できたのでご一緒しても大丈夫でしょうか?」
「Absolutely!!もちろん!!ここに戻って来ますから、うちの車で一緒に行きましょう!!」
明るい笑顔で話す杜さん。
そこに帰る支度を済ませた悠太郎くんとはるみくんが手を繋いでやって来る。
「Oh!春海、準備OKだね」
「うん!!ゆうたろうくんとlesson、すごくたのしみ!!」
「ぼくも!!」
杜さんに慣れたのか、明るく笑顔で話せるようになった悠太郎。
あぁ、なんて可愛いんだろう。
こんなに楽しみにしてるなんて、通わせる事にして良かった。
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