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第125話

杜さんが設立して下さったピアノ教室は幼稚園から車で5分、歩いても15分くらいのところにあって、先生は日本語も話せるドイツ人の男の先生だった。 「園長先生にもお話して、近日中に生徒募集のPosterを貼らせて頂こうと思っています。Musicの素晴らしさに小さいうちから触れる事、とてもimportantだと春楓たちを見て思いました」 レッスンの間は親たちは教室の外で待機する事になっていたので、ぼくは杜さんと用意された待合室のイスに座り、話をしていた。 「僕は父がtennisをやっていたのでそのままtennisをやるように言われ、怪我をするまでの間はずっとtennis漬けでした。春楓たちは知らないと思いますけど」 「そうだったんですか……」 「もも先生はずっとピアノを?」 「あ、はい……幼稚園の時に先生が弾いているのを見て、それでやりたいって親に頼んで……」 ぼくは、父親の話はあえてしなかった。 「……なら、運動会、一緒にtrainingですね!僕、リレー走るんですよ」 「えっ!?そうなんですか!?」 にっこり微笑んで話す杜さん。 テニスをやっていたなら、運動神経良さそうだなぁ。 「Yes!リレーの話を聞いた時にすぐ立候補しました!学生時代、春楓にはずっと勝てていませんので、絶対勝ちたいです!!」 どうしよう、杜さん、すごく燃えてるように見える。 ぼく……足手まといにならないようにしなきゃ。 ピアノ教室を気に入った悠太郎は自宅での練習も毎日楽しくやっていて、早く教室に行きたいと言っていたけど、ぼくは杜さんに会う度に気が重かった。

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