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第136話
悠太郎を寝かせると、ぼくはペダルで音を小さく調整してコンサートの練習をして浩が来るのを待っていた。
そこに浩から着いたっていうメッセージが入って、ぼくは音を出来るだけ立てないように寝室を出て浩を迎え入れる。
「うーすっ」
「お疲れ様。珍しいね、キックボクシングの後なんて」
「今日くらいしか時間取れなかったんだよな、今週」
浩は年中さんの出し物に苦心しているみたいだった。
「頑張ってるよね、すごく。無理して来なくても良かったのに」
「そうでもねーよ、春希にも手伝ってもらってるし」
ふたりで並んでソファに座り、話をする。
シャワーに入ってきたのか、まだ少し髪が濡れている浩。
いつもより少し長くなってきた髪も似合っててかっこいいなぁって思いながら、ぼくはその精悍な横顔を見ていた。
「あークソっ、明日美容室予約すんの忘れてた。ダメ元で灰田さんに聞いてみっかな。悪い、ちょっと電話する」
「う、うん……」
ぼくが用意したお茶を飲むと、浩はぼくの隣で電話をかける。
「あ、灰田さん?夜遅くサーセン。明日なんて空いてないっすよね?え?マジすか!?あざーす!じゃあ17時に行きますね!!」
美容室にかけたみたいだけど、お店の人と仲良さそうだなぁ。
「サンキュー、奇跡的に予約取れた!」
「奇跡的?」
「春楓のサッカー部の先輩だった人がやってる美容室なんだけどさ、めちゃくちゃ人気あって予約取るのも大変なんだよ」
「そうなんだ、すごいね」
美容室、小さい頃は母親と一緒に行ってたけど、中学生くらいから自分で髪を切るようになったから行かなくなっていた。
はるか先生、杜さん以外にもすごい方がお知り合いにいらっしゃるんだ。
「お前もいっつも悠太郎と同じ髪型ばっかしてねーでたまには違う髪型……って言おうかと思ったけど、お前はその方がいいかもな……」
ぼくの髪に触れた浩の指が唇に触れる。
「真面目そうなガキみたいに見えるけど、ホントはスゲーエロいっていうギャップがイイ……」
「んん……っ……!!」
指でなぞられた後、浩に抱き締められながらキスされた。
「んは……ぁ……っ……」
ソファに倒されると浩がそのまま覆いかぶさってきて、その興奮が布越しでも分かってしまう。
「こんなんで気持ち良くなれるなんてエロ過ぎ……」
「やぁ……あぁっ……!!」
ジーンズの上からでも分かるくらいになっている浩のを擦り付けられ、ぼくは興奮してしまっていた。
「苦しそうだな?ヨースケ」
「う……あぁ……っ!!分かってるなら意地悪しないでよ……っ……」
「あぁ?お前が悦ぶから意地悪してんだけど?」
「や……んんっ……!」
ジーンズ越しで思い切り握られて、ぼくは痛さと気持ち良さとで反応してしまう。
「そうやって生意気言いながら気持ち良さそうにされるとスゲー興奮する」
「はぁ……っあぁ……ッ……!!」
ぼくが下に履いているものを全部脱がすと、浩はお尻に手を伸ばしてきた。
「ホント、堪んねーよ、ヨースケ」
「うぅっ、ひろ……っ……!!」
耳元で囁きながら、その長い指を挿れてくる浩。
ぼくはそんな浩に抱きついていた。
「お前にその瞳で見られたくて今日こうして来たんだ……」
「あ、あぁっ……!」
ぼくのいやらしい顔を見て笑ってくれる浩。
恥ずかしいのに、嬉しくなってしまう。
「……そーだ、自分で挿れてみる?」
ぼくの弱いトコロを指で刺激しながら、浩が尋ねてくる。
「そ……そんな恥ずかしい事……」
「決まりだな」
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