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第141話

浩の事を知って、それを浩の前で出さないようにするのが最初のうちはちょっとだけ大変だったけど、それにも少しずつ慣れてきた。 浩も気づいてないみたいで、ぼくは変わらず浩との関係を続けていた。 11月に入り、園はクリスマスコンサートの練習と平行して来年度の新入園児対象の説明会や予約制で少人での見学会で毎日人の出入りが多くなっていた。 ほとんどの事は園長先生、はるき先生、ゆみ先生が対応する感じだったけど、ぼくは現年少さんの副担任で悠太郎を通わせている事もあったから、園に来られた入園希望の保護者に話を聞かれる事もあった。 ここでもはるか先生、はるき先生、はると先生の人気は絶大で……。 「年少さんの担任の先生、イケメンで歌もピアノも上手で王子様みたいで素敵だったわぁ〜」 「私は年長さんの担任の先生の方が気になっちゃった〜!明るくて可愛くてアイドルみたいじゃない?確かお父様が有名な指揮者よね?」 「案内してくれてたメガネの先生もイケメンだったじゃない!お相撲さんの息子さんらしいけど、クールな感じにあの身体、男らしくてたまんなーい!!」 なんて言う声を1日1度は耳にした。 そんなある日の事だった。 1日5組限定の幼稚園見学者の中に、その人たちはいた。 「絶対そうよね!年中の担任の先生、浩だよね!」 「あぁ、チラッとしか見てないけど、あれは浩だろ」 体調不良になったお子さんを早退させるのに職員室のソファに寝かせ、 保護者の方に電話をかけようとしていると、廊下で女の子を連れたぼくくらいの歳に見えるご夫婦が話しているのが聞こえてくる。 「あ、すみませーん!ちょっとお聞きしたいんですが」 「す…すみません、今具合の悪いお子さんの対応をしていますので少しお待ち頂けますか?」 いきなり話しかけられてドキっとしたけど、なんとか落ち着いて対応出来た。 職員室にいた園長先生にお子さんをお願いすると、ぼくは浩の事を話していたご家族の所に戻っていた。

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