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閑話休題(えちが書きたかったので。-前半)***

襲い受けで、本番なしです。 苦手な人はご注意下さい。 ***** 「……むぅ」  朝六時三十三分、吉野は寝苦しさに目を覚ました。昨夜はきちんと閉めたカーテンの隙間から、朝日が差し込んで室内はすっかり朝の気配だ。気温も上がってきている。けれど寝苦しい原因はそれだけではない。腹に回された律の腕と、背中に密着する律の体温が、吉野には幸福で、そして物理的に暑い。 「せんせぇ、暑い」  ベッドの中でもぞもぞと動く。腹に回された腕をぺちぺちと叩くと、「んんー」という寝言とも呻きともつかない声を上げて、律はさらに腕に籠める力を強くする。どうしてそうなるんだ。 「せんせぇぇ」  先程よりも、強めに呼んでみる。すると先程よりも強めに、ぎゅぅと抱きしめられた。逆効果だ。そして吉野の好きな声で「吉野くん……」と名前を呼ばれる。例え寝言であっても耳元で囁かれるのは、だめだ。変な気持ちになる。  うぅぅ、せんせぇ、好き。  このまま律の抱き枕になってもいいかもしれない、という決意をしそうになる。決意しなかったのは、腰に違和感を覚えたからだ。熱い、というか、率直に言って、あたってる。  そんな、せんせぇが。  律せんせぇなら、あり得るんじゃないの。  だって、僕の名前を呼んでた。  嬉しくないの?  嬉しい……。  自意識過剰なんじゃないか、と思う吉野と、確認したい吉野が脳内で喧々諤々の論争を繰り広げた。流れは圧倒的に後者に向いていた。律が吉野をソウイウ目で見てくれるのは、正直に嬉しい。  きつい律の腕の中でなんとかからだを捻ってみる。そっと律の腰に手を伸ばす。どきどきする。手のひらにスウェット越しの律の熱源が触れる。途端に吉野は顔が熱くなった。  僕のことで、勃ってるのかな……。  せんせぇの夢の中で、僕はどうなってるの。  想像するだけで、吉野の頬が熱くなる。けれどそうだとしたら、すごく嬉しい。やわやわと手のひらで撫でていると、膨らみが強調されてくる。ただの生理反応だとわかっていても、吉野の手で反応してくれるので、顔は熱くなり口元が緩む。  もっとしてあげたくなって、吉野はちょっと緩んだ律の腕から強引にからだを引き抜いた。それから律を仰向けに転がす。スウェット越しの律自身に目を奪われる。 「……せんせぇ?」  一応一度律を呼んでみる。数秒待って、返事が返ってこないことを確かめると、吉野は生唾を飲み込んだ。そっと律のスウェットに手を伸ばす。スウェットの中を探って、目的のものをそっと外気に晒す。  ばれたら律はどんな顔をするのだろうか、と思うと吉野の心を罪悪感がちくちくと刺激した。怒られるだろうか。吃驚するだろうか。でも、気持ちよくなって欲しいな、とも思う。  親指と人差し指で輪っかを作って、そっと上下に動かしてみる。徐々に、けれど確実に律自身が芯を持ってくる。 「うぅぅ」  こんなの絶対、挿んない。  吉野の与えた刺激で熱を持ってきたそれが、夜、律の手で吉野の中に押し込まれるなんて、信じられない。

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