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前編 真っ直ぐな想い/3
隼人は小さい頃から何故か俺の後ばかりついて来る子で、何を言ってもどんなに冷たくしても離れてはくれなかった。
ただ最近は態度が妙な方向にエスカレートしてきて、俺のことを好きだなどと言う始末。懐き方も尋常じゃない。
『…まさか姉貴のやつ』
俺が男にしか恋愛感情を抱けない体質だということに気付いて…って、それなら尚更可愛い自分の息子を、そんな危なっかしい弟の元には寄越さないか。
いや、我が姉ながら何を考えてるかわからん人だからな。毒を以って毒を制すくらいのことは考え兼ねない。
「…だからと言って高校生に、まして姉貴の子供に手を出すほど俺だって飢えては…」
フルフルと頭を振って思考を切り替えると、俺は会社へと足を急がせた。
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