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プロローグ・7
要人が恋人に?
残された優希は、自分がいつ、どうやって寮に戻ったかも解からないくらい動転していた。
食事をとる時も、バスタブに浸かる間も、ベッドに入ってからも、ずっと要人の事ばかり考えていた。
相反する、二つの気持ちが揺れる。
『僕も、要人が好きだ。
彼に言われたからじゃない。
きっと気づかないうちに、この心は彼でいっぱいになって溢れかえってしまっていたんだ』
『男同士の、親友だ。
それ以上でも、それ以下でもない。
あんな告白を聞いてしまった以上、今までのようにとはいかないかもしれないが。
それでもしばらく時を置けば、また同じように笑い合ったり、悩みを打ち明け合ったりするに決まってる』
どうしよう。
結局返事を決められないまま、優希は翌日を迎えた。
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