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第三章・3
あれから数年経った今、まさかこんな所で見つけるとは!
要人が読んだのは上巻だけだったので、続きが気になって気になって仕方がなかった。
しかし、それも1年間程度のことだ。
実際に自分の身に起きる二次性徴に付き合っていく方が大変だったし、ガールフレンドとのキスやセックスの方が魅力的だった。
そんなこんなで、すっかり頭の片隅にしまい込まれていた、あの本。
その下巻が、ここにあるのだ。
これは、買いだ! とすぐさま手を伸ばしたが、優希の出現により阻まれた。
彼の見ている前で、この本を手に取ることが、ためらわれた。
何も知らない優希は、にこにこと数冊の本を手にして笑っている。
「大収穫だ! 要人は、何かいい本を見つけたかい?」
「いや……、俺は特になにも。たくさんあるな、どんな本だ?」
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