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第三章・12
実はビールを持ってきたんだ、と優希に打ち明けられ要人は驚いた。
まだ二人とも、飲酒のできる年齢ではないのだ。
そして優希は、そんな規律をきちんと守る模範生のはず。
「どうしたの、一体。飲むの?」
「ビールに合うスナックがあってね」
袋から優希は、ビールの缶を数本といくつかの箱を取り出した。
少しスパイスの利かせてある、スティック状のプレッツェルだ。
ホントにどうしたんだ、優希。
その中は、本がぎっしり詰まってるんじゃなかったのか!?
茫然とする要人に、優希はプルタブを切ったビールを渡してきた。
「乾杯!」
「あ、うん。乾杯」
ピザを食べ、プレッツェルをつまみ、ビールを飲む。
他愛ない話をしながら、優希と一緒の楽しいひと時を過ごす。
それだけで、充分満ち足りた幸せを感じることができる。
そして、ちょっぴりどきどきする。
酔いがまわって頬を赤く染めた優希に、どきりとする。
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