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第五章・2
奇妙な内容だが、これでも立派な授業のプログラムである。
この部屋のどこかに、要人たちの一挙一動をくま無く拾い、録画しているカメラがある。
そして終了後に、その動画を元にしたエデュケーションを受けるのだ。
今のわずかな心の緩みも、機械は情け容赦なく記録しただろう。
かすかに動いた表情筋を、教官は情け容赦なく指摘するだろう。
要人の他4人は皆、最初は張り切って素早くどんどん押印していた。
しかし、彼らそれぞれに与えられた10冊の領収証が、残り2冊となった途端に、無言で入室してきたスタッフがさらに10冊追加していく。
そしてそれは、新たな10冊の終了直前に再び繰り返されるのだ。
何冊押印すれば、おしまいなのか。
休憩時間は設けられているのか。
終了時刻はいつなのか。
いや、それ以前に今何時何分で。
自分は一体どのくらいの時間、こうして作業を続けているのか。
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