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第五章・17

「ん~、時々飲むかな。一人でこっそり」 「オジサンみたいだよ、要人」  軽く笑って脱出を試みる優希だったが、ここは逃がさないぞと要人は軌道を戻す。 「だから、優希。君と一緒に飲めるようになりたいよ。おひとり様じゃあなくって、二人で楽しみたい」  予想外のリアクションだ。  返答に詰まった優希の隣へ、要人は移動した。  手には、ワインの瓶を持って。 「アルコール度13.50%、飲み頃温度は8℃だって。少し冷やしすぎたかな」  ワインのラベルを見せるように、優希へと身を寄せてくる要人だ。  素面だったら身を固くするところだが、ワインの力は絶大だった。  優希は特に抵抗なく、要人の持った瓶を覗き込んだ。 「度数が13%以上あるのかぁ。ビールはせいぜい5.0%前後だから、僕が酔っ払っちゃうわけだ」 「そろそろ眠くなってきたんじゃないか?」  要人は酔いをいいことに、優希の髪にそっと触れて弄り始めた。  されるがままに、ただ口先だけで反撃する優希は、すっかりのぼせてしまっている。

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