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第六章・2

「ね、優希。キスして、いい?」 「……いいよ」  要人の唇が、優希に重なる。  ゆったりと口づけ、何度も唇を食んでくる。  そして。  ああ、そして。  要人の舌が、優希の咥内に忍んでくるようになっていた。 「ん、要人……っ。んぅ、ん……ッ」 「嫌だったら、言って」  要人は意地悪だ。  イヤなはず、ないじゃないか。  最初は、驚いた。  あんまりびっくりしたものだから、彼の舌を噛んでしまった。  それくらい、優希にとってディープキスは胸を打った。 「ね、優希。そろそろ、俺の口の中も可愛がってよ」 「え!?」  それって、つまり。  それ以上は何も言わず、要人は再びキスを続けた。  

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