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第六章・11

 浴室は前回と同じく、広い湯殿だ。 「ふぅ」  温まりながら、優希はリラックスしていた。  要人がアットホームな雰囲気で、彼をもてなしてくれたことは嬉しかった。 「いい感じに、緊張が解けたみたいだ」  これなら、要人と今夜……。  ざぶり、と優希は湯で顔をぬぐった。 「ヤだな。もしかして、僕」  期待、してる?  怖かったはずが、ときめいている?  ざっ、とバスタブから体を上げた。 「どうなるか解らないけど、要人に任せてみよう」  経験豊富な彼に任せておけば、大丈夫。 「……多分」  彼も男子と付き合うのは、初めてなのだ。  しかし、前回お泊りした時とは違うだろう。  男性同士のやり方を、しっかり予習してくれているだろう。 「頼むよ、要人」  やはり少しだけ心細い気持ちで、優希はバスから上がった。

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