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第六章・12

 別のバスルームで湯を使った、とパジャマ姿の要人が客間で優希を待っていた。  以前お泊りした時の、部屋だ。  飲み物と軽食が用意されていたが、ミネラルウォーターしか口にできなかった。 「優希、怖いか?」 「怖い、っていうより、緊張してる」  来て、と要人は立ち上がり、寝室へと優希をいざなった。  二人でベッドに腰かけ、わずかな沈黙の時間を共有した。 「あの。嫌だったり、怖かったりしたら、言ってくれよ。やめるから」 「うん。ありがとう」  改めて向き合い、顔を近づけキスをした。  要人の舌は、いつまで経っても優希の咥内には入って来ない。 (僕から動くのを、待ってるんだ。待ってくれてるんだ)  そう察した優希は、そろりと舌を伸ばし要人の口に侵入した。  柔らかく、慈しんでくれる要人の舌。  あんまり心地よくって、何度も舌を擦り付けた。 「ん……、ぁふ。ん、ぅん……」 「優希……」  キスをしながら要人は、優希のパジャマのボタンを外した。  彼の着衣が、少しずつ乱れてゆく。  彼の素肌が、少しずつ表れて来る。  それだけで、要人の身体の中心はずきずきと脈打ち始めた。

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