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第六章・16

「んっ、んくッ。んぅ、うぅ、んぁッ!」 「優希、声聞かせて」  指を噛んで声を殺す優希に、要人は手を伸ばした。  ぐっ、と上半身が倒され、結合がさらに深くなる。 「んぁあ!」  優希の口を塞ぐ手を取り、指と指とを絡ませる。  しっかりつないで、要人は熱い幸福を味わった。 「嬉しいよ、俺。優希、俺すごく嬉しい」 「あぁ、あ。要人ッ」 (ナカ擦れて……、ぞくぞくするっ)  どうしよう。  要人、僕。  僕、これって、気持ち悦い、ってこと? 「あ、あぁ。はぁ、っく、あ。ふぅ、あ、あぁん!」  勝手に、声が漏れ出る。  勝手に、腰が波打つ。  自分の身体を制御できずに、優希は困惑していた。 「優希、俺もうダメ。出るッ!」 「え!? 出る、って。あ! ヤだ、あぁああッ!」  要人が勢いよく優希の体内に射精し、優希もまた精を飛ばした。

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