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エピローグ

「優希、朝だよ」 「ん~、もう少し寝かせて……」  仕方が無いな、と要人は一人でベッドから抜け出てシンクへ行くと、鏡に自分を映した。  あの頃に整えた髭は、もう無い。  無理に背伸びをする必要が、なくなったから。  要人は、大人になっていた。  高校を卒業し、エスカレーター式で大学へ入学。  もちろん、優希も一緒だ。  寮は出て、マンションに移った。  今はそこに、二人で住んでいる。  要人は顎を撫でると、シェーバーを当てた。  ざらつく顔でキスをすると、優希が嫌がるからだ。  もちろん、喜んで嫌がっているのだが。  洗顔を済ませて、歯も磨いて。  サッパリしてから、もう一度寝室へ戻る。 「優希、朝だよ」 「ん~、もう少し寝かせて……」 「今起きると、モーニングキスを」 「起きるよ」  むくりと起き上がった優希に、要人は軽くキスをした。

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