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エピローグ・5

 カフェでのんびりお茶を飲んだ後は、食材の買い出しだ。  二人で、あれが無かった、これが切れている、などと話しながらカートに品物を入れてゆく。 「買い出しも、立派なデートだよな」 「うん。楽しいよ」  レジを済ませ、膨れたエコバッグを下げてポプラ並木を歩いた。  美しかった黄金色の葉はほとんど枯れ落ち、冬支度をしている。 「ね、要人」 「ん?」 「僕たち付き合い始めて、もう4年以上経つんだけど……、気持ちは変わらない?」 「気持ち、って」 「以前の要人は、女の子と付き合っては別れてたよね。僕に飽きたり、しない?」  嫌だなぁ、と要人は笑った。 「優希に飽きたりするもんか。それに、付き合いは4年じゃない。小学校の頃からだ」 「要人」 「女の子にはフラれたから別れてたんだし、俺は尻軽じゃないつもりだよ」  よかった、と優希は胸を温めた。  要人は、やっぱり要人だ。  小さい頃から変わらない、要人だ。

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