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第122話

 ヴォルフは早速、優美な線を描くペニスに舌を伸ばした。まずは輪郭を丹念になぞる。去年の今ごろは嬉々として口淫に励む日が訪れるなんて夢想だにしなかった。いや、むしろ想像した時点で吐き気をもよおしていたのは必至。何しろ色恋沙汰にまったく興味がなかったくらいだ。  未来は謎で、そこが面白い。そして現在(いま)、しゃぶること自体に興奮するのも恋というものの偉大な力だ。内腿にある、ちっぽけな黒子さえ輝夜の一部だと思えば愛おしい。和毛(にこげ)だって絹の手ざわりだ。鼻の穴をかすめるたびにクシャミが出そうになるが、せせるのが愉しい。 「ん、や、攣れる……」  遮二無二細腰(さいよう)が遠のいた拍子に、ぷちぷちと何本かちぎれた。歯に挟まったやつをつまみ取る仕種が劣情をそそったとみえて、はしたなく蜜がにじんだ。  ふぐりにしても皺の寄りぐあいが愛らしい、と思うのだから重症だ。頬張り、宝珠を左右交互に舐め転がす。  堪えきれず、こぼれたあえぎ声が足の付け根にくぐもるのが恐ろしく官能的だ。花穂(かすい)をねぶるのはわざと後回しにしていると、ねだりがましげに細腰が揺らめいた。  蕾が見え隠れして、挑発的にひくつく。たまらず双丘を割り開き、舌でつついた。 「あ、舐められると気が散る……っ!」 「うるせえ、黙って感じとけ」  尻たぶを鷲摑みにして、妖しく蠢く(なか)があらわになるまで花芯をぱっくりと広げた。生涯忘れえぬ契りを結ぶに先立って、ひと片、ひと片、じっくりと舐めほどく。 「ん、んん、ぅう、んん……!」  毛は半分がた抜けてしまったものの、聴覚に支障はない。豹の耳がピンと立って、控えめな嬌声をことごとく拾う。  欲望がたぎりどおしとあって雄渾はますますいきり立ち、今にもはち切れそうだ。競うふうに口腔の奥行いっぱいに迎え入れられたせつな、危うく爆ぜるところだった。  からくも持ちこたえて舌を突き入れる。浅く深く、メリハリをつけてくじる一方で、乳首を揉みつぶすと、 「んんんー、ん、ふぅ、うう……っ!」  狭間にさざ波が走り、ふぐりがぷるりと跳ねた。輝夜が感じると、連鎖的にこちらの下腹(したばら)まで甘やかにざわめくのは困りものだ。我慢だ我慢、と自分をなだめて、なおもしゃぶりまくる。 「や……ぁ、あ……んん……」  対抗意識の現れで舌が陽根に巻きついた。負けじと内壁に潤いを与えて花を咲かせていくうちに、(みだ)りがわしく濡れそぼる。  準備完了、と言いたげに尻尾が床をひと打ちし、そこを忍の一文字で指を追加した。餓死する寸前で食べ物にありついたように、勢いよく指をぱくつくわりには狭い。しかも締めつけぐあいが万力のそれに匹敵するとくれば、がいかない。

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