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俺史上最モテ案件
「高岡さんってピアスの穴でかいですよね」
「あー、昔どんくらいでかく出来るかなーと思って適当に拡張してたんだよね」
「うわーよく見ると……うわー痛々しい!」
「あんま痛くなかったよ、ニードルでぐりぐりぐりって」
「うわー! やめてやめてやめて聞きたくない! 痛くないとかぜってー嘘だ……俺だったらもー絶対むりです」
「伊勢ちゃんはピアスあいてないんだっけ」
「高校ん時一瞬だけ開けてたことあったんですけど、すぐふさがっちゃいましたね」
「開けてたんだ、意外」
「いやー若気の至り的な。クラスのモテる奴だいたい開けてたんで、真似してたんですよ」
「モテた?」
「いやまったく、眉細くしてピアス開けてもモテないもんはモテねぇんだなって学びました」
「モテないの? 伊勢ちゃん顔かわいいのに」
「いーやモテないっすねまったく! 顔かわいいとかも言ってるの高岡さんだけですよ」
「かわいいよ、いやかわいいって言うのもあれだけど、普通にかっこいいと思うけどなあ」
「いやでも高岡さんこそモテそうですよね」
「俺はまず人付き合いできねぇからそれ以前の問題だな」
「えー、でも高岡さんかっこいいじゃないですか」
「そんなことないだろ」
「いや俺普通に前からかっこいいなって思ってましたよ」
「まじかありがと、結婚するか」
「はは、しますかー、そうだなーするしかねぇなー」
「絶対幸せにします結婚してください」
「……ど、どうも……」
「……」
「……」
「俺こういうふざけたやりとりで照れるのはダメだと思うんだけど」
「いや! 俺もそれは分かってるんですけど! だめだ、いま一瞬何やってんだ俺って思っちゃった……」
「そういう素のテンションやめろよ」
「いやほんと! すいません俺マジサムイ!」
「いやー不覚にもキュンとした」
「えっこんなんでキュンとするんですか高岡さん」
「……結婚しような」
「もういいもういいその話……」
「だめだかわいい」
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