10 / 42

打ち上げ花火横から見るか見ずにいちゃつくか

「今日花火大会らしいですよ」 「あーだから通りに子供とかいっぱいいたんだ」 「ですね」 「……行きたい?」 「いや俺人ごみはあんまり」 「そうなんだよな、俺も人多いの嫌なんだよ」 「ですよね、暑いのに人ごみってねぇ」 「そうなんだよなー、屋台のメシってなんか高いし」 「そーそー、金ないっつうのに。あと花火ってなんかそんなに感動しないんですよね」 「まあなー、本当に有名な花火大会じゃないとなー」 「花火の違いっていうか、種類とか分かんなくないですか?」 「確かになあ」 「あんま花火大会って楽しみ方分かんないんですよね、疲れちゃうし」 「あーでも」 「なんですか?」 「浴衣はいいよね」 「あー……、まあ……」 「伊勢ちゃんが浴衣着てくれるんだったら行きたいなあ……」 「着ないですけどね」 「……そんな秒速で否定すんなよ……」 「だって持ってないですし」 「買ってあげようか?」 「いやいやなんでそんなとこだけ気前いいんですか金ないんでしょ」 「大丈夫大丈夫」 「いやなんの大丈夫ですか」 「浴衣着てさあ、ちょっと離れた人の居ない公園とかで二人でゆっくり見ようよ」 「…………」 「それだったら人多いとこ行かなくて済むし、ね?」 「…………浴衣着てセックス、とか絶対しませんからね」 「えっ!?」 「青姦もしないですからね」 「え、えっ?」 「それでも買ってくれるなら買ってくださいよ浴衣」 「エー…………アー…………」 「……高岡さんが思ってる以上に考えてることダダ漏れですからね?」

ともだちにシェアしよう!