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出会った瞬間、僕は貴方を嫁にすると決めました 第80話 | 朝比奈 美雨の小説 - BL小説・漫画投稿サイトfujossy[フジョッシー]
目次
出会った瞬間、僕は貴方を嫁...
第80話
作者:
朝比奈 美雨
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第80話
迂闊
(
うかつ
)
だった。 まさか教師が自分を狙うなんて、微塵も思っていなかった、なのに。
霞
(
かす
)
む視界の中で、聖は卑しい笑みを浮かべている。 「俺ね、ずっとヤッてみたかったんすよ。妊娠出来る男と。しかもこんな可愛い人と出会えるなんて、奇跡です」 「な……にを……」 叫びたいのに、直ぐにこの場から去りたいのに、どうにも力が入らない。 春樹は椅子から転げ落ち、這ってドアの方へ向かおうとしたが。 容易に行く手を阻まれ、じっと睨み付けるしか出来ない。 その表情すら、彼にとっては『ご褒美』のようで。 「いいですね、その
屈辱
(
くつじょく
)
にまみれた表情……貴方は本当に特異なんですよ。可愛らしいけれど、女っぽくはない。なのに妊娠出来る。最高じゃないですか」 「ぜん、ぜんっ……さいこ、じゃねぇっ……!」 高揚する聖に対し、怒りを露にするも虚しく、どんどん脱力感が増している。 両手足に
鉛
(
なまり
)
をつけられているような、妙な
錯覚
(
さっかく
)
にとらわれ、呼吸すら儘ならなくなってきた。 (くそ……何とか……何とか逃げなきゃ……!) と必死にもがいた所で、聖の魔の手が容赦なく伸びてきた。 仰向けにさせられ、勢いよくシャツを破られる。 過去に受けた
凌辱
(
りょうじょく
)
の記憶が蘇り、全身が硬直した。 「や……やめ……」 「ふふ。ここで止めると思います?ああ、映像を撮ってるので、拡散されたくなければ黙ってて下さいね」 「うう……」 敵はあくまでも抜かりなく
狡猾
(
こうかつ
)
だった。 もはやほぼ意識がない中、聖の醜悪な顔が近付いてくるのが分かる。 一筋の涙が、こめかみを伝っていった。 (ごめん、蓮人、芽……!!) 心の中で最愛の人達に、謝罪を述べていると。 遠くからドンドンと、激しくドアを叩く音が聞こえてきて、そして。 「春樹!春樹さん!!」 「ママー!ママーっ!!」 (え……蓮人……?芽……??) そう考えた瞬間、プツリと。
墨
(
すみ
)
で塗り潰されたかの如く、気を失った。
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朝比奈 美雨
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