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酔っ払いラプソディー

 カラオケがお開きになり、その場で友人と別れた。  一人で帰りの電車に乗っているとスマホに純からメッセージが届いた。猫だの犬だのスタンプで事足りる連絡も純は律儀にいつも全部文字で送ってくる。  ――今どこ?  ――電車乗ってる。帰るとこ。  ――そう、今日はうち来るの?  純の返信を見て少し考える。あまり強くもないのに結構酒を飲んでしまい、だいぶ酔っていた。自分の家にこのまま帰ったら母親に怒られることは明白だった。元々、今から純の家に行くつもりだったし今日は泊めてもらおうと思った。証拠隠滅。  ――ねぇ、今日泊めてくれない?  ――お酒飲んでるでしょう。 (何でわかるんだよ)  ――うん。今日は帰りたくない。  ――(驚く猫のスタンプ) 「どういうこと?」  思わず電車のなかで声を出してしまい周りの注目を集めてしまった。  今まで一度だってスタンプを送ってきたことがなかったのに純がスタンプで返事をしてきた。返事の手が止まる。  何も返さずにいたら文章が続いた。  ――気をつけて、酔ってるなら坂で転けないように足元ちゃんと見て歩くこと。 (だから、なんで子供扱いなんだよ)  それには怒った猫のスタンプを、すぐに返しておいた。

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