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 風呂からあがって純の家に置きっぱなしだった部屋着のスウェットを出して着る。地下の部屋に戻ってきたら純はもう寝ていた。  少し迷ったけれど、勝手に純が寝ているベッドに潜り込む。  ソファーに一人は寒いから、いつも一緒に寝てるから。――親友だから。  背を向けて寝ていると、後ろから純がひっついてきて腰に手をまわしてくる。温かかった。  だから安心する。ずっとこのままが良いと思った。  変でもいいから、けれど、これ以上、純の未来を壊したくない。邪魔したくない。 「おやすみ」  ぼそりと、背中に向けて結斗は言った。 「――ゆい、ごめん、酔ってた」 「ほんとにな。俺も酔ってた」 「だよね」  くすくすと、背中で純は笑っている。  酒を飲んで待っていたのは、純の優しさだったのかもしれない。結斗が望んでいることをして、気まずくならないように。  ――覚悟決めたから。  純はそう言っていた。やっぱり、逃げているのは、自分だったのかもしれないと反省する。純がいうように、考えないといけないと思った。  この先、純とどうしたいのか。

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