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第6話(R18)
「やぁ……あっ……」
無意識の拒否だったのか。それとも、反射的なものだったのか。
ピクンと沓名は身体を震わせると、精液を吐き出しながら完全にベッドへ倒れ込んでしまう。
「良かった……ですか?」
と自信がなさげに聞く恋人に沓名は「ええ」と答える。
「でも、汚しちゃって……それに、まだ直樹くん……」
言い淀む沓名は本当に先程、伊福の前で裸で立っていたのかと思うくらい、いつもは真っ白な顔が真っ赤な顔だ。
というのも、沓名の性的な姿に伊福の陰茎は先走りの体液を滲ませて膨らみ、いつでも沓名のナカに入れそうだった。
「沓名さんが大丈夫そうならゴムしますけど……どうですか?」
と伊福は言うので、沓名は「はい」と答える。
だが、沓名をイカせられたと思い、気が抜けたのか、伊福の指は上手く動かず、包装を破く時にコンドーム自体を破いてしまう。
あとは破かないまでもなかなか陰茎につけられなくて、滑りを良くするローションがとれて、カピカピになってしまう。
「すみません。練習では上手くいったんですけど」
伊福は謝ると、コンドームの装着に失敗して焦る手を制して、既に4つ目になったコンドームに手を伸ばす。
すると、沓名がそのコンドームを手にとった。
「沓名さん?」
「僕は君以外を受け入れたことはないので、病気もない筈ですし、無理につけなくても良いですよ」
沓名のナカに直に自身の陰茎を入れる。
それは伊福としてはこの上もなく、魅力的な申し出だが、もう既に伊福を受け入れる為に恥ずかしくて、面倒な準備をしてくれている。
その上、伊福の出す予定の体液を掻き出して、再び綺麗にするなんてことは初めて男に抱かれた後の沓名には難しいだろうし、させたくない。
「あ、でも、衛生的に気になるなら……」
「沓名さん!」
所謂、ゴムなしセックス案に何も言わない伊福に気まずくなり、沓名は次の案を提示しようとする。
「あの、もし、良かったらなんですが……」
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