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第7話(R18)

「本当に直樹くんの手、震えてますね」  沓名はそう言うと、伊福の手に優しく触れる。  決して小さな手ではないが、指が細めなのか、華奢な感じのする沓名と同じくらいか身長差もある為か、小さく見える。 「この指が僕のナカに入っていたなんて信じられないですね」  伊福の人差し指の第二関節や爪の部分を愛しそうに沓名は触れると、中指の第二関節の裏から指先をなぞるように触れていく。あとは中指と薬指の間を擽るように撫でると、他の指間にも指を割り込ませて、絡ませる。 「くつな……沓名、さん……!」  沓名に触れてもらえれば、指の震えも治るかと伊福は思ったが、手を絡ませているだけとは言え、かなり欲情的な光景だ。 「直樹くん、良さそうですね」  既に陰嚢が重みを増していて、射精間際の伊福に沓名はコンドームを手にとる。コンドームを破らないのと、陰毛を巻き込まないように伊福の陰茎に装着する。  だが、ただでさえ、大好きな沓名の手でそれらがなされていて、その光景に伊福は堪えきれなかった。 「アああっ!」  僅かにコンドームを伊福の亀頭に引っ掛けた弾みで、放ってしまった精液は沓名の手だけでなく、顔や胸に飛んでいく。  あまり性的なことを好んだり、盛んに行ったりしない伊福とて直腸や口といった体内ではなく、顔や胸といった体外に出して、かけることは知識として知っているが、よもや自身がやるなど夢にも思わなかった。  しかも、意図的ではなく、誤射や誤爆に近いことは質が悪かった。 「すみません、すみません」  何度も謝り、伊福は枕元に備えつけてあるウェットティッシュを沓名に渡して、自身も沓名の首元や胸元を拭いていく。 「目とか入っていない? あ、髪とかにかかっていない?」  普段、伊福は年上の沓名には敬語なのだが、敬語を使うことも頭から抜け落ち、パニックになりながらも、沓名に聞いていく。  すると、沓名はくすりと笑った。 「沓名さん?」  普段、沓名もにこりと笑うことはあっても、くすりとは笑わない。  沓名はウェットティッシュを持っていた伊福の手にまた愛しそうに触れる。 「すみません、いつも、愛おしく思えるんですけど、今日の君は本当に愛しくて……ああ、今、幸せだって思ったんです」  沓名は今度は優しく笑うと、少し軽いキスを唇にする。  軽いキスから深いキスを沓名から伊福、伊福から沓名と繰り返しながらしていく。 「僕も幸せです。沓名さんが僕の恋人になってくれた日から」

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