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第11話(R18)

「良かった。目が覚めたんですね」 20年前の沓名に呼ばれ、様々なことを伝えた伊福は沓名に呼ばれる。 大学を卒業し、雑誌の編集者をしている沓名。つまり、大学生ではない、現在の沓名雅雪だった。 「ユキさんの言う通りだったね」 伊福は20年前の沓名の身体を拭くと、自身も風呂に入って、沓名の邪魔にならないようベッドへ横になった。 それがまた風呂に入って、ベッドで沓名に覆い被さっていた。 「ええ。だから、言ったでしょう? 君以外とはこんなことはしていないって……」 伊福と沓名は20年前とは違い、向かいあっていた。本当はバックで挿入する方が挿入しやすく、20年前の伊福もそうしていた。だが、失敗しても良いからと沓名に言われて、何回かしているうちにできた。 顔を見ながらのセックスは恥ずかしさもあったが、お互いの感じている顔や満たされた顔が見れることもあり、興奮した。 勿論、体調が悪いとかではなく、何となく調子の悪い時や身体は疲れているけど、ムラムラしている時はバックか、挿入はなしで触れ合うだけなんて日もあるが、伊福と沓名は幸せだった。 「20年後の僕が教えたって言ってくれたら良かったのに……って、信じられなかったかも。まさか、自分が20年前のユキさんに会いに行って、色々、教えるなんて」 何度も何度も伊福は沓名を抱いてきて、もう流石にコンドームをつけるのも慣れている。慣れてはいるが、伊福は沓名にゴムを1つ渡した。 「今日はユキさんにつけて欲しいんだけど、どうかな? あと、ゴムをつけたら、ユキさんのナカを突いていくから良いところを教えて?」  恋人になって2年も経ってからのセックス。  何も知らない沓名に教えたのは39歳の伊福だったが、19歳の伊福に教えたのは僅かに知った沓名だった。

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