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第8話(R18)
木々の枝に、ひとまとめにカルセドの両手を封じられ、足は左右とも膝を折られたような状態で開かれている。
当然、下着は先程、木々の枝に剥ぎ取られて、何もつけていないので、カルセドは身体の形は全てヴェリルに見られていた。
「……っ」
カルセドは羞恥で気がおかしくなりそうだった。
思えば、誰かに身体を見られるなんてことは物心つけてから1度もないし、仮にベリルトである時のヴェリルに助けられた時に見られたとしても、その時のカルセドには意識はない。ましてや、こんなに視線を感じるのに相手は肌の1つも見せていないというのは堪らない。
しかも、カルセドが3度、絶頂するのを堪えてヴェリルとの賭けに勝つか、あるいは絶頂してしまってヴェリルとの賭けに負けるかするまでこの状態が続くという。
「さて、まずは今にも種が弾けてしまいそうな果実から」
ヴェリルの視姦で、子種で膨らんでしまったカルセドの性器をヴェリルは握り込む。陰茎を握り込まれる手は人間のものよりやや冷たかったが、上下にシュシュと精液を搾り出すように擦り動かすと、気になる程ではない。
「あァ、もぉ、も、うっ……!!」
引き攣ったような善がり声を小屋の中、撒き散らし、カルセドは身体を拘束している木々ごとしならせて1回目の射精を迎えた。
「やれやれ、確かに勝つのは我だが、そんな調子だとやや興が削がれそうだな」
カルセドはハァハァと呼吸を乱しながら、木々に覆われた天井を見る。
すると、カルセドの視界にはヴェリルではなく、ベリルトが映り込む。
「すぐに勝負がつくと、君が人間で、俺がアールヴだったから勝ったんだと言いがかりをつけるだろう? まぁ、この姿だったとしても俺が君に負けることはないが」
良質な木を思わせる優しい茶色の髪。若草の色を与えられたような優しい緑をした瞳はヴェリルではなく、ベリルトの時のものと変わらない。
だが、人が良さそうな笑顔は消えかけていて、優しく嗜めるような言葉に反して冷たさを纏っていた。
「……っ」
カルセドは息を飲み、ベリルトから目を背ける。気づいてしまったのだ。
ベリルトに知らないうちに惹かれていたこと。ベリルトの言葉を疑いつつも、ベリルトという存在を信じたいと思った時のこと。
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