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第9話(R18)
「ゃ……」
カルセドはベリルトに犯されるのを拒否をしたいが、既に四肢は木々の枝に絡め取られていて、小さな声で拒否するとか下腹を捩るとか十分な抵抗はできない。
「2回目もすぐだった、な」
今度はカルセドに震える亀頭を舌で抉るように舐める。亀頭から裏筋の尿道の通る膨らみの部分をなぞるように舐め、また亀頭を穿るように舐めていく。
極めつけにベリルトは手でカルセドの陰嚢も裏から優しく揉み込んで、出せと言わんばかりに動かすと、カルセドには抵抗する術はなかった。
あと1回、精液を出して、絶頂してしまえば、カルセドの負けだ。
「ぃや……もぉ、ゆる、して。許し、てくださ……い」
カルセドの頭は自身には過ぎる快感と急に目覚めてしまったベリルトへの思いで溢れて、カルセドの心を苦しめる。
賭けの方法や木々で拘束された今の状況はカルセドの同意とは言いがたいが、何も無理矢理犯されている訳ではない。
処理しきれない程の快楽と思慕。
口元も喉元も胸元も苦しいくらい熱くて、堪らないのに四肢を木々に縛られるように、物理的にも精神的にも逃げ出せない。
「許す? 何を?」
ベリルトはカルセドの懇願の意味が分からないようだった。
確かにカルセドはヴェリルの賭けに負けそうではあるが、人間とは快楽を好む生き物ではないのか。
いや、人間ばかりではない。種を残そうとする目的ではなく、好奇心や快感を満たすという理由で長命、不死だとされるアールヴさえもアールヴや人間とまぐわうことを好む者もいる。
それに……
「君と少し暮らしてみて、君は俺に好意を持っていたようだったが、違うのか?」
真っ直ぐなベリルトの言葉に、カルセドは戸惑う。
アールヴの森で行き倒れていたところを助けてくれたことで、ベリルトに心を許すのは不思議なことではない。優しげな樹木を思わせる容姿に、アールヴ故に人柄と言って良いかは分かりかねるが、人柄。それに、どこか皮肉めいていて、気まぐれにも感じる言葉にも惹かれていた。それに、自身が褒められた時も疑いつつも、素直に嬉しかった。
自身でさえも先程まで気づかなかった好意を明らかにされ、カルセドは戸惑い、ベリルトへ二の句が告げなくなってしまう。
すると、痺れを切らしたベリルトは悪い人相を浮かべ、笑った。
「人間は面倒だなぁ。面倒なのに、実に愚か。実に愚かなのに、複雑さを装う」
ベリルトは幼子に言い聞かせるようにゆっくりとした口調で言うと、カルセドの直腸に指を突き立てる。
「あ、ぅ、ッ……!!」
ベリルトの指はカルセドの前立腺を捕らえると、慈悲も容赦もなく、突いた。
「ぃ、やぁ、アぁぁぁ!!」
「君がどんな風に思っても、君は負けだ」
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