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爽やかな日々(4)
パタン…
ドアを閉める小さな音で、僕はハッと目を覚ました。
それは、結城が自分のベッドルームのドアを閉めた音だった。
僕はムックリ起き上がりベッドを降りた。
そして、ブランデーやウイスキーの瓶が並んでいる戸棚を物色した。
…どれが飲みやすいのかなー
とりあえず僕は見た目で、黒い瓶を選んだ。
同じく棚に並んでいたグラスも取り出して、少し注いで…ひと口飲んでみた。
うわっ…きつー
高校生の僕には、おそらくどれを選んでも、味の良し悪しなんて分からなかったと思う。
ただちょっと…勢いをつけるために、少し酔っ払いたいと思ったのだ。
だって…
せっかく一緒に泊まってるのに、
別々に寝るなんて、そんなのちょっと寂しいじゃん…
飲みかけのグラスを持って、
僕は…そっと自分の部屋を出た。
そして、結城の部屋をノックした。
コンコン。
「どうぞー」
僕はゆっくりドアを開けた。
見ると、結城は既にベッドに入って、スタンドの灯りで本を読んでいた。
「なんだ、飲んでるのか?」
僕がグラスを持ってるのを見て、彼は言った。
「う、うん」
僕は、ドアをバタンと閉め、ゆっくりベッドに近づいた。
そして、グラスを結城に差し出した。
彼はそれをひと口飲んだ。
「へえ…アードベッグか…こんなの好きなのか?」
「知らない。瓶がカッコよかったから」
「くっくっくっ…」
「結城さんは、これ、好きなの?」
「割と好きな方だな…」
「そーなんだ…」
そして僕は、結城からグラスを受け取った。
そして、訊いた。
「一緒に…寝ても、いいですか?」
結城は本を置いて、笑いながら答えた。
「もちろん、大歓迎だよ…」
それを聞いた僕は、再びグラスに口を付け…
その、アードベッグと呼ばれた酒を、口に含んだ。
そしてグラスを傍らのテーブルに置き、
ベッドによじ登り…結城を押し倒した。
「…ん」
ちょっと驚いた表情の、彼の顔を両手で押さえ…
僕はそのまま口付け…
口の中に含んでおいた酒を、彼の口に、流し込んだ。
「…んん」
結城はそれを、ゴクンと飲み干した。
そして、そっとくちびるを離した僕の目を見て、ふっと笑って言った。
「やるな…」
それから僕は頭を下げ…結城のバスローブをかき分けて、彼のモノに口を付けた。
彼が僕の頭を押さえて、
ちょっと待てというように僕を離そうとしたが、
僕はそれを拒んだ。
ただ…ただ、結城のモノに触れていたかった。
気持ち良くなってもらうため…というよりは
自分がそれを、触ったり舐めたりして、いつまでも弄んでいたかった。
こんな感覚は初めてだった…
やがて結城は、僕の髪を撫でながら…
僕の愛撫に身を任せた。
それはだんだんと大きく硬くなり、
ときどきビクッと脈を打った。
僕はたまらず…それを口いっぱいに頬張った。
「んんんっ…」
結城の身体がビクッと震えた。
僕は、そのまま…自分の欲望のままに、口への抽挿を繰り返した。
いつか誰かが言ってたな…
僕はホントに、口に挿れられるのも好きなのかも…
ふと、そんなことを思っているうちに…
結城のそれは、僕の口の中で果てた。
「んっ…はぁ…はぁ…」
息を荒げる結城の、脱力したモノを…
僕は優しく丁寧に舐め上げた。
彼は目を閉じて…呟くように言った。
「凄いな…お前…」
こんな無防備な結城の姿を見るのは、
初めてかもしれない…
僕はまた、彼の上に覆い被さり…
そのくちびるに口付けた。
と、今度は結城が起き上がり…逆に僕を押し倒した。
なんというか…
嬉しいような、悲しいような、
彼は少し複雑な表情で、僕を見下ろした。
「お前はどこまで泳いで行くんだろうな…」
結城の言っている意味が、ちょっと僕には分からなかった。
と、彼はいつものように…僕のバスローブをはだけ、乳首に指を這わせながら、今度は彼の方から、僕に口付けた。
「ああっ…ん…」
彼のくちびるは
そこから首へ…肩へ…胸へ…乳首へ…
滑らかに動いていった。
僕の身体のあちこち隅々まで、彼は舌を這わせた。
結城の舌は…舌じゃない。
変な言い方だけど、指とは違うんだけど…
他の誰の舌とも違う。
絶妙な柔らかさと硬さを屈指して、僕の性感帯のスイッチを入れていく…
「…んんっ…んっ…」
その感触が、あまりに気持ち良くて…
僕の身体はビクビク震え…
力無い喘ぎ声が止まらなかった。
意識さえ朦朧としてきた。
そんな僕の様子を見て、結城が囁いた。
「どうした?」
「…んっ…気持ち…よすぎて…死んじゃう…かも…」
「ふふっ…それは困るな」
彼は手を止め、僕の両足を大きく開いた。
そして自分のモノを僕の中にゆっくり押し入れた。
「あっ…あ…ああ…」
今さっき結城が触れたり舐めたりしていった、身体のあらゆる箇所が、その彼のモノを受け入れている感覚とリンクして…
なんて言ったらいいか、身体中全部から快感が湧き出していくような感じだった。
僕のモノは、触れられてもいない筈なのに、小刻みに脈を打っていた。
結城は、焦らすように…指で軽〜く、それに触れた。
「あああっ…」
そのほんの些細な感触に、僕の身体は大きく震えた。
それを見た彼は、ちょっと面白がっている風に、
同じように何度も…触れるか触れないか…
くらいのソフトな愛撫を続けた。
「あっ……ああっ…」
その度に声が出てしまった。
結城はニヤっと笑い…そのまま腰を動かし始めた。
「あっ…んんんっ…ああ…」
それがまた刺激となって、
更に僕の身体は…なんだかわけがわからなくなった、
このまま終わらなくていい…
イかなくていい…
このままずっと、この感覚に包まれていたい…
そんな風に思った。
そして間もなく
僕は…
僕史上最大の絶頂を…迎えた。
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