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開発(2)

僕は、葉多と並んでベッドに座った。 そして、彼の顔を見上げて言った。 「キス…してもらえますか?」 「…う、うん…どんな風にしたらいいの?」 「女の人としたことはありますか?」 「…あるよ、一応…」 「じゃあ、一緒です」 葉多は…少し戸惑いながら、 僕の肩を抱き…顔を近づけてきた。 僕は目を閉じた。 「…ん…」 葉多がくちびるを重ねてきた。 僕はすぐに、彼の口を舌でこじ開け、侵入した。 「…んん」 葉多の口の中で、しばらく舌を絡ませてから… 今度は彼の舌が、僕の舌を押し戻すように僕の口に入ってきた。 「ん…ん…」 唾液が滴るほどの口付けを続けながら… 僕は葉多の首に、両手を巻きつけた。 ゆっくりくちびるを離れ… 僕は目を開けて… 彼の目を見つめて言った。 「葉多さんのキス…すごく気持ちよかった…」 そして彼の手を取り、自分の股間に誘った。 「キスだけなのに…こんなになった…」 僕は葉多に…既に硬くなった自分のモノを、 ズボンの上から触らせた。 「触りながら…もっとして欲しい…」 そう言って僕はまた、目を閉じた。 葉多は黙って…再び僕に口付けた。 彼の舌が、僕の舌や口の中に触れる度に… 僕の身体も…彼に触られている僕のモノも、 ビクビクっと震えた。 ホントに気持ちよくて、僕はボーッとしてきた。 再び口を離れた葉多は… 少し不思議そうに言った。 「…そんなに、気持ちいいの?」 「…うん…」 恍惚とした表情の僕を… 葉多は思わず、そのままベッドに押し倒した。 そして僕を見下ろして、言った。 「どうすれば、もっと気持ちよくなる?」 「…脱がせて…ください…」 僕は、自分の感じるままに懇願した。 彼は、言う通り… 僕のシャツのボタンを外し始めた。 僕は、ハッと思って 「あ、違う…僕が脱がせなきゃ…」 と言いながら… 葉多のワイシャツの襟に、力無く手を伸ばした。 彼はクスッと笑った。 「大丈夫…ほら…」 そう言いながら、彼は僕のその手を取り… 自分の股間に誘った。 「俺もちゃんと勃ってるから…」 「…」 「だから、どうすればいいか、言って」 僕はまた、たまらない気持ちになった。 そして… 葉多に、身を任せることに、決めた。 「女の人にするみたいに…胸、いっぱい触ったり舐めたり…してください」 「…ん、わかった」 葉多は、僕の両方の乳首に指をあてた。 そして優しく押しつぶすように愛撫した。 「ん…ああ…あっ…」 それから、僕の首すじに口付け… その口を少しずつ下へ滑らせていった。 やがてそれは、片方の乳首を捉えた。 「あっ…んんっ」 僕の身体はビクッと震えた。 彼はそのまましばらく、僕の両乳首を愛撫し続けた。 「あ…すごく…気持ち…いい…」 僕はビクビクしながら絶え絶えに言った。 僕の様子を見て…葉多は顔を上げ、 ニヤッと笑って言った。 「あとは、どうしたらいいの?」 「はぁ…あ、下も脱がせて…」 葉多は、言われた通り… 僕のズボンを下着ごと脱がせた。 「…それから?」 「…ん…葉多さんの好きなように、挿れて…」 「…!?」 僕は、自分で両足を少し開き… 自分の手で…挿れて欲しい場所を指差した。 「女の人にするみたいに…ここに…」 葉多はすこし躊躇いながらも… 自分の服を脱ぎ捨てた。 そして…僕の両足を開いた。 「ホントに…大丈夫なの?」 僕は、もう欲しくてしょうがない表情で言った。 「うん…お願い…挿れてください…」 (伝家の宝刀ね) それを聞いて、少し反応した自分のモノを… 彼は僕の中に、押し込んできた。 「ん…あっ…ああ…」 葉多のモノは、やがて奥まで僕の中に収まり… ビクビクと脈を打った。 そのたび、僕の身体は震えた。 「あっ…葉多さんの…ビクビクが…気持ちいい…」 「…痛く…ないの?」 「…気持ち…いい…」 それを聞いて、彼のモノは更に膨張した。 「あっ…あっ…」 そしてまたそれに、僕の身体は反応した。 葉多はその状態のまま… 再び指を僕の両乳首に這わせてきた。 「あっ…あああ…」 僕はもう…気持ち良過ぎて、 身体を逸らせて喘いでしまった。 それを見て彼は、そのまま 乳首を愛撫しながら、少しずつ腰を動かした。 「ああっ…あっ…んん…」 「はぁ…はぁ…んっ…」 葉多の息も荒くなった。 「あっ…んっ…もう…出ちゃう…」 「えっ…」 彼はちょっとビックリして… 僕のモノに目を落とした。 それはいきり勃ち…小刻みに震えていた。 葉多は…思わずそれに、少しだけ触れた。 「あっ…んんっ…ん…」 その瞬間、僕はイった。 そして、余韻に震えながら…彼に言った。 「…ん…ん…葉多さんも…イって…」 「…」 それを聞いて葉多は、 自分の快感に任せて…激しく腰を動かし… ほどなく僕の中に、出した。 「ん…はぁ…はぁ…」 そして、彼はそのまま…僕の上に倒れ込んだ。 息を荒げながら…言った。 「先に…進んじゃったな…」 「…どう…でした…?」 「…すっげー気持ちよかった…」 「じゃあ…実験…成功です…」 「…ブッ…あははっ…」 「…でも…自分もこんなに気持ちよくなっちゃったのは…ちょっと計算外…でした…」 それを聞いて葉多は…ゆっくり頭を上げて、 僕に軽く口付けた。 少し落ち着いてから…僕らは身体を離した。 僕は、葉多の身体を、 温かい濡れタオルで綺麗に拭いた。 それに身を任せながら、葉多は言った。 「大変な仕事だなー」 「えっ…なんで?」 僕は、何でもない風に、答えた。 「昼間ずーっと仕事してる葉多さんの方が、よっぽど大変だと思いますけど…?」 「あはははっ…そっか…」 そして、衣服を整えて、僕らは部屋を出た。 泊まってはいけないそうだ。 聞かなかったけど… もしかしたら、奥さんがいるのかもしれない。 会計を済ませ、店を出た。 タクシーで帰るというので、 大通りまで一緒に歩いていった。 タクシーの手配も、僕らの仕事のうちなのだ。 「実はタクシー見送りも初めてなんです…」 僕は少し緊張して言った。 葉多はそれを聞いて、嬉しそうに言った。 「そうなんだ。何か俺ラッキーだな。君の初めてにいっぱい当たれて」 「もー他人事だと思って〜」 「あはははっ…」 ドキドキしながらも、 僕は、無事タクシーを捕まえられた。 「じゃあ、またね」 「はい。本当にどうもありがとうございました」 彼を乗せたタクシーが、見えなくなるまで見送って… 僕は店に向かって歩き出した。 葉多さんは、僕にとって特別な人だ… 僕は恵まれてるな… いつもすごく、良い人ばかりに助けられてる いつの間にか…穏やかに笑っていられる自分に 僕は少し驚いていた。

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