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穏やかなふゆやすみ(2)
その日の宴会は、
さほど遅くならずにお開きになった。
雅巳は、明朝帰省する準備があるからと言って、
早々に部屋に戻って行った。
正田も同じく、でもそれはおそらく、
僕らに気を遣っての口実だったのだろうと思う。
藤森は、この冬休みは帰省しないらしい。
年明け早々に、推薦入試を控えているので、
休み返上で、補講と受験勉強の日々を過ごす3年生が多いらしい。
「とりあえず、髪は黒くしといてね」
藤森は、そう言い残して、部屋を出て行った。
さすが元生徒会長〜
そして、部屋には僕と律也の2人きりになった。
テーブルを片付けながら、彼は言った。
「俺らも明日から補講だなー」
「そうだね」
僕はため息をつきながら、呟いた。
「今更、勉強なんて、できるのかなー」
と、律也が後ろから、僕を抱きしめてきた。
「…」
「…勉強とか、どうでもいい…とにかく、またここでお前と一緒にいられるなら…」
「…うん…」
僕は、ゆっくり彼の腕をほどきながら振り返った。
そして改めて、正面から彼に抱きついた。
「生きててくれて…ホントによかった…」
「…そこ?」
そう言いながら、律也は笑って…僕に口付けた。
「部屋に戻んなくてよかったの?」
口を離れて、律也が訊いてきた。
「…うん…だって…」
僕は、少し恥ずかしそうに、言った。
「折角、久しぶりの2人っきりだから…」
今更、僕なんかが恥ずかしいなんて言うのは、
変だと思われるかもしれないけど…
身体の関係ばかり重ねてきた僕にとって
ちゃんと『好きな人』に向き合うってことは、
とても新鮮だったのだ。
「ふふっ…お前のそんな顔が見れるなんてなー」
意地悪そうに律也が言った。
僕は更に顔を赤らめた。
彼はそんな僕をしっかり抱きしめて…
そのままベッドに連れて行き…
ドサッと、僕をベッドの上に押し倒した。
そして僕を見下ろしながら言った。
「言っとくけど、俺もそこそこ経験を積んできたからね」
「ふふっ…ホント?」
「うん。ま、お前には敵わないけどなー」
「もうー」
そう言いながら僕は、律也の首に両手を巻き付け…
引き寄せ、口付けた。
「…ん…」
僕らはどちらからともなく、舌を絡ませた。
いつまでも…
何度も僕らは口付けた。
くちびるを軽く触れ合わせたり…
また深く舌を舐め合ったり…
お互いの頬や耳に口付けたり…
時折、頬を寄せあったり…
それは、身体の関係を求めるだけの間柄ではありえない行為だった。
僕は…この人とつき合ってるんだ…
そんな風に、改めて思った。
そしてようやく…
律也は、僕のシャツのボタンを外した。
僕も…彼のシャツのボタンを外した。
お互い胸元が露わになると…
律也は再び、僕を抱きしめてきた。
彼の素肌が、僕の素肌に重なった。
それがまた…なんとも言えず、心地よかった。
律也は、僕の首すじに口付けた。
そして僕の片方の乳首を片手で弄りながら、
くちびるを滑らせ…もう片方の乳首まで下りてきた。
「んっ…あっ…」
ビクビクっと、僕は震えた。
身体の感度は…やはり変わらなかった。
両乳首を愛撫され…
僕の身体はどんどん熱さを増していった。
「…あっ…ああ…」
彼は、いつまでもそこを愛撫し続けた。
僕はビクビクと、身体を捩らせた。
気持ちよくて…
どんどん身体の力が奪われていく気がした。
律也は、ふと手を止め…僕を見上げて言った。
「もっとする?」
そして、手を僕の太腿の間に滑らせながら続けた。
「それとも、こっちにする?」
「…」
さすが、経験値を上げてきたなー
「そっちも…早く触って…」
僕も負けずに切り返した。
「気持ち良すぎて…もう出ちゃうかも…」
「…」
それを聞いて律也は…
僕のズボンを下着ごと脱がせた。
そして、僕のモノに口付けてきた。
「ああっ…んん…」
散々乳首を触られて…
いきり勃ってしまった僕のモノは…
律也がほんの少し口に含んだだけで…
すぐに、イってしまった。
「あ…はぁ…んっ…」
「お前って、ホント感度いいんだな…」
「もー誰と比べて言ってんの?」
僕は、そう言いながら身体を起こし…
逆に律也を押し倒した。
そして、彼のズボンを下ろして…
今度は僕が、彼のモノに口付けた。
「…んんっ…」
律也が気持ち良さそうにビクッと震えた。
僕はまた…若干うっとりしながら…
彼のモノを、舐めたり咥えたりして、弄んだ。
「…やっぱ…お前…上手過ぎ…」
言いながら律也は、
僕の頭を押さえて身体を離して起き上がり…
再び僕を押し倒した。
そして、僕の両足を開いて、
いきり勃った自分のモノを、僕の中に押し込んだ。
奥まで入ったそれは、
僕の中で、ビクビクと脈を打った。
「あっ…んっ…」
律也が…
律也のモノが…僕の中にいる…
同じように、脈打つ感触を、
何度も味わってきた筈なのに…
今、この感触は…殊の外心地よかった。
律也と繋がっている…
律也が僕の中で、感じてビクビクしている…
僕の身体は、再び熱くなった…
僕のモノも、再びドクドクと熱さを増した。
律也が、それを両手で握った。
「んんっ…気持ち…いい…」
律也は、僕のモノをふんわり包み込みながら…
自分の腰を動かした。
「あっ…あっ…」
その動きに合わせて、モノが刺激され…
それが、奥へ突かれる感触と相まって…
僕はまた、絶頂に向かって昇りつめた。
「あっ…ああ…あ…」
「んんっ…あっ…」
僕らは、ほぼ同時に果てた…
律也から出たモノが…僕の中に溢れた。
「はぁ…はぁ…あったかい…」
思わず僕は呟いた。
何とも言えない充足感だった…
僕は…もっともっと、溺れたいと、思った。
好きな人に挿れられるって…
なんて気持ちいいんだろう…って、思った。
こんな感覚を…
また再び味わうことができる日がくるとは…
そして、
冬樹といちばん最初にしたときの事を…
懐かしく、思い出していた。
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