104 / 149

黒い編入生(4)

「……」 次に僕が目を覚ましたのは… 誰かに頬を叩かれて…だった。 「…!!」 僕の目の前にあったのは… あの…黒岩恭吾の顔…だった! 「…う…ぐっ…」 気が付くと僕は…後ろ手を縛られ、 口には猿轡を咬まされた状態で、 床に仰向けに寝かされていた。 恭吾が頭の上から覗き込んで、ニヤッと笑った。 「郁かおるって言うんだってね…」 「…う…」 「僕は、欲しい物はどーうしても手に入れないと気が済まないタチなんだ」 ジーーッと、低い音に気付いて、斜め上を見ると… なんと、テーブルの上からビデオカメラが、 こちらを向いて作動しているのが目に入った。 「…!!」 起き上がろうと身体を捩らせた僕を、 恭吾は押さえ付け、僕の上に馬乗りになった。 「う…ううっ…」 「すごいんだってねー弘真が言ってたよ」 そう言いながら彼は、顔を近付けてきた。 「どーうしても、僕もそのすごさを体感したくなっちゃったんだ」 必死で顔を横へ向けて抵抗したものの… 恭吾は、両手で僕の頭をしっかり掴んで、 僕のくちびるを塞いだ。 猿轡の間から舌を滑り込ませ… 僕の口の中を這い回らせながら、 彼の手は、僕のシャツのボタンを ひとつひとつゆっくりと外していった。 「…うう…」 くちびるをそっと離すと… 僕のズボンのボタンも外した。 そして恭吾はすっと身を起こし、 僕のシャツをゆっくり両側に剥がしていった。 「う…」 彼の手が、僕の肌に少しずつ触れるたび… 僕の身体は、僕の意思とは裏腹に、熱を増した。 それを確認しながら、 恭吾の指は、僕の胸の上で止まった。 その感触をじっくり味わうように…彼の指が僕の乳首を愛撫し始めた。 僕の身体はビクビクと震えてしまった。 「へえー…確かに、美味しそうだね…」 そう言うと恭吾は、 今度はもう片方の乳首に、そっと口付けた。 「…うぁっ…」 また僕の身体は震えた。 彼の舌先の感触が、僕の乳首を硬く尖らせた。 しばらくそのまま、恭吾は愛撫を続け… そしてそれに反応して、 僕の身体はどんどん昇り詰めていってしまった。 「すごく気持ち良さそうだね…こんなになってる」 そう言いながら彼は、 僕のモノをズボンの上から触った。 僕はまた、ビクッとなった。 恭吾は胸から顔を離すと… 一気にズボンを下着ごと脱がせた。 「もうすぐイっちゃいそうだね」 「…うう…」 恭吾は、僕のよがり苦しむ表情を見下ろしながら、 ニヤッと笑って僕のモノを右手でゆっくり摩った。 そしてもう片方の手で僕の顔を撫で… その手は首すじを通って、胸の辺りに落ち着き、 再び僕の乳首を愛撫した。 「…うっ…んっ…」 …もう僕は長くはもたなかった… ほどなく恭吾の手の中でイってしまった。 「…んっ…はぅ…」 肩で息を荒げる僕を見下ろしながら… 彼は自分のズボンを脱いだ。 そして僕の両足を高く持ち上げ… 既に硬くなった自分のモノを、押し込んできた。 「んんんっ…ん、」 僕の身体は、ゆっくり恭吾のモノを、 奥まで受け入れた。 身体の自由を奪われて、挿れられる… 過去に幾度も同じ状況があった。 僕はいつだって、その嗜虐的な行為に酔っていた。 今も同じだった。 僕の身体は、何も変わっていなかった… 「…んっ…んんっ…」 恭吾が無理やりに、僕の奥へ突けば突くほどに、 僕は、自分の中に込み上げてくる快感の波を どうにも抑えることは出来なかった… 「また勃っちゃってるんだ…」 恭吾は興味深げに笑って言った。 彼は僕の両足を自分の肩にかけ… 腰を揺らしながら、僕の両乳首に触った。 「…うっ…んん」 僕はまた、ビクビクッと身悶えた。 その刺激が…僕のモノ再び昇り詰めさせた。 「…はあっ…あっ…あっ…」 恭吾の息も荒くなった。 激しく彼のモノに奥まで突かれるごとに、 僕のモノもビクビクと脈を打った。 「…んっ…ん…」 快感に酔いしれ、身体を反らせた恭吾と共に… 僕も、2度めの絶頂を…迎えてしまった。 「はぅ…うぅ…」 「…すっごく快かったよ…」 そう言うと恭吾は… スッと僕から引き抜き、さっさと服を着た。 「もっと欲しくなっちゃったな…」 呟きながら、彼はビデオカメラのスイッチを止めた。 そしてガタガタと、それを片付けた。 薬で自由を奪われ、抵抗出来なかったとは言え… 律也以外の男に犯られたという事実は、 僕を十分に打ちのめし、叩き堕とした。 しかも、律也の部屋で…! 最後に恭吾は、蹲る僕の手に巻かれた紐を、 少しだけ緩めながら…囁いた。 「律也なら大丈夫。昼までは起きて来ないよ…」 それだけ言い残して… 彼はさっさと出て行った。 バタン。  ドアを閉める音が響き… 縛られたまま…裸のまま… 汚れたままの僕だけが、そこに残された。 「…んんっ!」 僕は力いっぱい両手を引っ張り、紐をひきちぎった。 そして自分の口に咬まされた猿轡を外して、 床に叩きつけた。 「……」 そしてゆっくり立ち上がって…浴室に向かった。 シャワーに打たれながら…僕は泣いた。 悔しかった。 律也を好きになって… 律也だけのものであろうとした自分が、 こんな形で彼を裏切ってしまう事になるなんて… 「…」 それから僕は、身体を拭き…服を着て… 辺りを元通り、何事も無かったように片付けた。 そして、自分の部屋に帰った。 どんな言い訳をしようとも、 例え自分の意思であろうが無かろうが… 恭吾に犯られたのは事実なのだ… しかも僕は… 恭吾に犯られながら2度もイった…

ともだちにシェアしよう!